「バックカントリー」相次ぐ事故・遭難・・・経験も装備も不十分!無謀なビギナーたち

印刷

   スキーやスノーボードの「バックカントリー」(スキー場の管理外)での事故や遭難が、この冬はすでに13件も発生している。バックカントリースキーの魅力は新雪を滑ることだが、管理されていないエリアのため、雪崩や遭難などの危険も当然高い。かつては「山スキー」などと呼ばれて、ベテランが楽しむイメージだったが、昨今のブームに乗って、知識、経験、技術、装備などが不十分なスキーヤーが増加している。

   スキー場側はバックカントリーが観光となって客が増えるのはいいが、その扱いに頭を悩ませている。長野県白馬村のスキー場にはシーズン中に5万人以上の外国人観光客がパウダースノーを求めてやって来て、バックカントリーに出る客も多い。なにしろ、白馬が知られるようになったきっかけが、世界的なスノーボーダーが白馬のバックカントリーを滑った映像だったからだ。これで白馬は世界ブランドになり、外国人観光客が急増した。

   スキー用具も「バックカントリー」向けに進化している。スノーボードを売る店には、新雪用、パウダースノー用などと謳った新雪を滑りやすい、つまりはバックカントリー向けのボードを売るコーナーもある。

北海道・ニセコアンヌプリ「独自ルール」で防止策

   そんななか、北海道のニセコアンヌプリの取り組みが「ニセコルール」として注目されている。ニセコではリフトの降り場付近にはバックカントリーに向かうスキーヤーの行列ができる。毎日、約2000人がバックカントリーに向かうという。

   かつてはバックカントリーを全面禁止としていたが、実際にはバックカントリーに向かう人が絶えず、85年から99年の間に8人の死亡者が出た。そこで町とスキー場は、2001年に方針を転換して、危険な地域を「立ち入り禁止区域」とした上でバックカントリーを認めた。

   ただし、ゲレンデとの境に10か所のゲートを設け、ゲート以外での出入りは禁止だ。悪天候や雪崩の危険が高いと判断したらゲートを閉鎖する。ニセコルールの策定に関わった登山家の新谷暁生さんらが、毎朝、雪上車で雪のコンディションをチェックし、天気図なども参照してゲート開閉を決めている。

   さらに、ゲートを出て行くスキーヤー一人一人に声かけをしている。当日のコンディションなどを伝えながら注意を呼びかけ、きちんと装備をしているかをチェックするためだ。このニセコルール策定後の15年間、リフトを経由してバックカントリーに出たスキーヤーの雪崩死亡事故はないという。「100%の安全は山にはない。かろうじて事故を起きないようにしている、毎日その繰り返しなんです」(新谷さん)

NHKクローズアップ現代(2015年2月3日放送「相次ぐ『バックカントリー』事故」)

  • コメント・口コミ
  • Facebook
  • twitter
コメント・口コミを投稿する
コメント・口コミを入力
ハンドルネーム
コメント・口コミ
   

※誹謗中傷や差別的発言、不愉快にさせるようなコメント・口コミは掲載しない場合があります。
コメント・口コミの掲載基準については、コメント・口コミに関する諸注意をご一読ください。

注目情報PR
追悼

お知らせ

電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中