カッコよくない田村正和「顔芸」の説得力!娘をレイプ殺害された老教授の絶望と焦燥・・・動き少ない法廷劇に緊迫感
<復讐法廷>(テレビ朝日系)

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   何よりも脚本(竹山洋)が素晴らしい。田村正和も素晴らしい。キャピキャピして、担当した容疑者から「のんちゃん」と呼ばれてしまう若い今時の女の子弁護士になる竹内結子も爽やかである。
   愛し抜いた一人娘がレイプされて寂しい雑木林で殺された元大学教授の父・中原誠司(田村正和)は、犯人の岩崎健二が、心証は真っ黒であるにもかかわらず、自白の強要と判断されて無罪になったことに激しく怒る。そして自ら、友人に借りた猟銃で岩崎を射殺する。妻も亡くなり絶望した中原は司法を糾弾するためだけに生きて、その後に死にたいと思い、弁護士の緒方信子(竹内結子)にも心を開かないのだが、ある時、信子に「娘に似てる」と笑いかける。
   最後は娘・由紀子が思いを寄せていた中原の元助手に宛てた手紙で、岩崎が真犯人であったと突き止められ、裁判員裁判の結論は、猟銃での殺人事件であったにもかかわらず、懲役3年、執行猶予5年、中原は拘置所を出られたのである。
   常にカッコいい人物を演じてきた田村が、白髪交じりで孤独の淵にいる弱々しい父親を演じる。殺人という明白な罪を犯した自分に確たる認識を持ちながら、なおかつ、理不尽な犯人の無罪の矛盾を糾弾せざるを得ない娘への愛と、司法の不備を断固糾弾する強固な意志がそくそくとして伝ってきた。ほとんど動きのない法廷劇の中で、顔芸ひとつで説得力あるドラマにしたのは田村の功績であろう。(放送2015年2月7日21時~)

(黄蘭)

採点:1.5
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