ホワイトカラーの仕事がなくなる!?急速に高度化する「人工知能」米国では企業決算記事も自動化

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   コンピュータが人間のような判断、働きをする「人工知能」が目覚ましく進歩している。この分野への投資もかつてなく活発で、技術革新が進んでおり、かつて人間にしかできないと思われた知的職業にまでコンピュータが進出しているという。

バスケットボールの試合中に瞬時に解説記事

   アメリカの「オートメーテッド・インサイツ」というベンチャー企業は、コンピュータが自動ですばやく記事を作成する仕組みを開発した。たとえば、バスケットボールの試合である選手がシュートを打つ瞬間にその選手の過去のデータを調べ上げ、「この選手は最近はスランプで、3ポイントシュートを15本中2本しか決めていない」などと解説してみせる。

   「スランプ」などという単語は、人間じみた表現に聞こえるが、これはコンピュータが過去の記事などをもとにどの程度の得点率で「スランプ」という言葉が使われるのかを調べあげた上で、用いている。

   この会社の「自動記事」は100社以上に導入され、年間10億本の記事が生産されており、世界有数の通信社も決算記事に使っているという。決算記事は膨大なデータを比較参照するのに大変な時間がかかっていたが、仕事が早いコンピュータのおかげで記事の本数が10倍に増えたという。

   オートメーテッド・インサイツのCEOは「データ分析や計算能力という点で、機械は人間よりずっと優れている」と話す。

コンピュータに奪われそうな「電話セールス」「スポーツ審判」「銀行の窓口」「車の運転」

   コンピュータの知的分野への進出が目立つ一方で、人間の仕事が奪われるのではないかとの懸念も浮上しているそうだ。人工知能の研究者は「機械ができる仕事が増えるにつれて、大卒ホワイトカラーの仕事の多くが失われていくでしょう」と予想している。

   オックスフォード大学の調査では、今後10年から20年のうちに、65%の職種がコンピュータに取って代わられてなくなる可能性が高いという。その代表格として、電話でのセールス、スポーツの審判、データ入力作業、銀行の窓口業務、証券会社の事務、車の運転業務などがあがっている。

   この点について、人工知能学会倫理委員長の東京大大学院の松尾豊准教授はこう話す。「電話でのセールスのようにやりとりがある程度決まっているもの、スポーツの審判やデータ入力のように正確性が重視されるものは、人工知能が利用されやすいですね」

   しかし、多くの仕事では仕事がなくなるのではなく、仕事のあり方やり方が変わっていくのではないかと見ている。たとえば、教師という職業は、今後データの蓄積にともない、どういう生徒にどんな教え方をすべきかといったことは、コンピュータのほうが得意になるはずだという。

   「ただし、生徒をやる気にしたり、生徒に夢は何ですかと問いかけて、それを実現する道を一緒に考えてあげるといったことは人間がやるしかないし、(人間の仕事は)そういう比率が高くなるでしょう。よりクリエイティビティーの高いもの、判断が必要とされるものになっていくと思います」と松尾准教授は言う。

NHKクローズアップ現代(2015年3月3日放送「人間は不要に?『人工知能社会』の行方」)

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