2024年 4月 20日 (土)

銀行預金が消えた!狙われる日本のネットバンキング・・・海外に知れ渡ってるセキュリティーの甘さ

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   安い手数料に加えて、土日や深夜でもパソコン、スマホで振り込み可能という利便性から利用者が増え続けているインターネットバンキングで、ある日突然、虎の子の預金が消えてなくなる事態が増えている。不正アクセスで盗み取る手口で、警察庁によると、被害額は3年前の12年には4800万円だったが、13年14億600万円、14年29億1000万円と急増した。

   被害者は個人にとどまらず、中小企業にまで及んでおり、金融機関もメガバンクから地銀、信金、信組に広がっている。海外では金融機関そのものが狙われるケースも出始めており、セキュリティー意識が甘く、銀行に預金が集まっている日本は格好のターゲットと見られているらしい。

銀行画面に見慣れぬ表示「機能アップのためお客様情報をご記入ください」

   預金者のパソコンにウイルスを感染させ、パスワードなど本人確認に必要な情報を盗み出して預金者に成りすまし、預金を別の口座に移してATMで金を引き出すというのが手口だ。

   東京都内に住む50代の男性は振り込みなどにインターネットバンキングを使っていた。昨年(2014年)3月、預金残高を確認するためにログインしたところ、モニターに見慣れない画面が表示された。「安全かつ快適なネット銀行を提供するために機能アップデートをさせていただきます。登録時に入力いただきましたお客様情報をご記入いただきたい」とある。男性は求められるまま合言葉とパスワードを入力した。

   実はこれが偽の画面だった。翌日になって銀行から預金に不審な動きがあるとの連絡があり、口座を調べると盗まれていることがわかった。送金限度額の50万円ギリギリの金額で繰り返し他の口座へ送金が行われ、ひと晩で350万円が消えていた。「口座を見て青ざめました。セキュリティーソフトも常に最新のものを入れていましたし、恐ろしい時代だと思いますよ」と悔しがる。

   北海道で水道管などを製造する従業員18人の会社は、振り込みにかかる時間を短縮するためインターネットバンキングを利用してきた。被害額は2000万円。わずか5分ほどの間に会社2年分の利益を奪われた。

   消えた預金を取り戻すことはできるのか。金融機関は個人の被害者に対しては重大な過失がなければ被害額を補償する。しかし、企業の場合は個人より高いレベルのセキュリティー対策をとっていなければ、補償を断られたり減額される。

   2000万円の被害をこうむった北海道の会社は、銀行から補償を断られたため裁判を起こした。「不正送金のリスクに対し、銀行から十分な説明がなかった」と訴えたが、判決は「会社のセキュリティー対策が不十分で銀行の責任は問えない」というものだった。

文   モンブラン
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