東日本大震災から4年・・・子供たちは我慢の限界!仮設住宅暮し長引きイライラ爆発

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   東日本大震災から4年になる。なお多くの人たちが仮設住宅で先の見えない避難生活 を送っているなか、子どもたちに異変が起きている。震災直後のPTSD とは違う変化だ。専門家は子どもたちの我慢が限界に達したのではないかという。

おだやかな性格だったのが急に怒りっぽく

   いまも1万3000人が仮設住宅で暮らす宮城・石巻市の小学3年生の達也くん(仮名)に異変が出たのは昨年(2014年)だった。おだやかな性格だったのが急に怒りっぽくなった。自分の手を噛み傷つける。鉛筆を噛み砕く。イライラするからだという。

   車で30分かけてかつて暮した地区の学校に通う。ほどなく地元に戻れるはずだったが、災害公営住宅が進まない。学校から帰っても友だちがいない。仮設住宅は各地からの寄り集まりなので、子どもたちの通う学校はバラバラなのだ。

   母親は「孤独感をつのらせているのでしょう。イライラをどう発散させていいかわからない。かわいそう」という。「友だちがいたら何して遊ぶ」と聞かれても、「わかんない。考えたことない」と答える。

   福島・双葉町から避難して、いわき市の仮設住宅で3年になる4年生の徹くん(仮名)は母親と2人暮らしだ。震災で郵便局務めと住まいを失った母親はいまも仕事が見つからず、預金を取り崩しながらの生活である。徹くんは母の不安や悩みを敏感に感じ取っていた。「お金が少なくなってきたから」学校で嫌なことがあっても伝えない。「迷惑かけたくない」「母さんは最近疲れてるから、疲れさせたくない」と話す。夜眠れなくなり、生活が不規則になった。半年余りで体重が10キロ増えた。NPOの学習教室に週2回通うが、睡眠不足から集中できない。「イライラするから(眠れない)」

   震災後の子どもを見守ってきた宮城県こども総合センター所長、本間博彰さんは、「改善していく子と悪くなる子(の違い)が目につくようになったのは、4年目でした。生活が苦しかったり、家庭が壊れていった家の子は悪くなる。逆に、家族が前向きだと良くなるんです。ここへきて親の状態、環境がかかわってきました」という。

   精神科医の本間さんは子どもの自傷行為を「心の苦しさがそれで瞬間的に楽になるんです。親、先生が穏やかに接することで、安心感を与えられる」と話す。

   仙台市の母と息子2人の家庭は、震災で母親は失業し収入は半分になった。病院通いが増えた母を見て、弟は「なんでこんなに不幸なんだろうと、いろんなことを考えてしまう」といっていた。兄が通っていた学習教室のNPOが、別の生活支援のNPOを紹介して生活が変った。いま毎月8000円分の食料が届く。精神的にも「支えられている」という安心感が生まれ、家族がゆっくり過ごす時間もふえた。さまざまな支援機関の連携で、支援を受けている家庭はいま100世帯余りになる。

スクール・ソーシャルワーカー3倍に増やして親の相談にも乗る宮城県

   積極的に「異変」を把握して、支援につなげる仕組みも動き出している。宮城県は復興予算を活用して、スクール・ソーシャルワーカーを震災前の3倍に増やした。ワーカーは学校からの依頼で「異変」を聞き取り、保護者と面談して、病院や児童相談所、NPOなどと連携して支援に動く。「両親が揺れると子どもも揺れる。生活を回復させると元気回復になる」のだという。

   不登校支援教室に通う気仙沼の4年生の女児は、両親とも震災で仕事を失い、将来への不安から母親は娘を叱ることが多くなった。母親はソーシャルワーカーとの話し合いで、一番の原因が自分だと気づかされた。

「自分が一番パニックになって、娘の不安に気づいてあげられなかった」

   いま娘は母に気持ちを話すようになり、学校へも少しづつ通い始めている。ただ、 宮城県のこの仕組みは復興予算だけに、いつまで続けられるか見通しはない。戦後の風景が蘇る。焼け野原の中で子どもも辛酸をなめた。親の役割はもっと重かった。公的支援も学校もNPOもなかった。本間さんが「そばにいるだけで子どもは安心し、自分の力を発揮する」といっていた。結局はそれだ。親が揺れてはいけない。

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代(2013年3月5日放送「子どもの心が折れていく~震災4年 被災地で何が~」)

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