「論文でっちあげ」横行!STAP細胞だけじゃない・・・大学や研究機関で次々

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   1年前、「世紀の発見」とされたSTAP細胞問題が世間を騒がしたが、生命科学の分野では近年、論文不正が相次いでいるという。昨年2014年だけで筑波大学、東京慈恵会医科大学、山梨大学、理化学研究所、東京大学で不正が発覚した。こうした不正な論文によって研究費が付き、研究が評価されている例もある。

東京大「加藤研究室」165の論文のうち33に捏造!研究費30億円

   昨年12月、STAP細胞問題の調査結果の会見があったのと同じ日に、東京大学でも論文不正の調査に関する会見が行われた。対象は分子細胞生物学研究所の旧加藤研究室だった。加藤茂明元教授が主宰し、研究者40人ほどがいて、女性ホルモンと骨粗しょう症の関係を明らかにするなど、ホルモンや遺伝子の分野で先端的な研究を行ってきた。15年間で30億円もの研究費が投入されたという。

   しかし、2011年に論文に不正疑惑が持ち上がり、翌年から大学の調査が始まった。それによれば、1996年から2012年の論文165のうち33の論文に捏造、改ざんなどの不正があり、加藤元教授をはじめとする研究者11人が関与したとされた。報告書は、著名な学術雑誌に論文を掲載するためにストーリーに合った実験結果を求め、それが甚だ行き過ぎていたなどと指摘していた。

「仮の実験データ」載せて後から辻褄合わせ

   不正の手口で目立つのが「仮置き」というもの。仮説の仮の実験データ(過去の類似の実験など)を、実際に実験せずにそのまま論文に掲載するのだ。研究室側はケアレスミスで本物のデータと置き換え忘れただけと主張したが、調査では不正と認定された。

「『仮置き』を実際のデータと置き換え忘れたということ自体考えられないが、実験ノートをチェックしても実験をやった形跡がないんです。科学は真実を明らかにしようとする行為だと思いますが、真実を明らかにしようとしていない。全くのフィクションですよ」

   東大の調査関係者は吐き捨てた。ゲストの研究倫理問題にくわしい浅島誠・日本学術振興会理事はこう話す。「でっちあげの研究、悪い研究をしてる人はそんなに増えていないが、手を抜いたり雑な研究が少し増えています」

   その要因としては、研究者は短期間で成果を求められ、それがポストやポジション、研究資金に関わってくるため大きなプレッシャーがあるという。「そもそも、研究というのはノルマに対してやるのではなくて、じっくりと思索してやるもので、根本的には過度な競争、プレッシャーを減らすこと必要でしょう」

NHKクローズアップ現代(2015年3月10日放送「論文不正は止められるのか~始まった防止への取り組み~」)

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