2024年 4月 20日 (土)

出っ張り看板が落ちてくる!安全点検せず無許可も横行・・・札幌の直撃女性いまだ意識不明

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   先月(2015年3月)中旬、札幌・中心街のビルの高さ15メートルから看板の一部が落下して21歳の女性を直撃した。女性は頭と首の骨を折って、1か月経ったいまも意識不明の重体だ。都会ではどこでもこの手の看板が歩道の上に張り出している。これが突然落下する事故が全国で続いている。

   女性を直撃した看板を止めていたケタは鉄製で重さ25キロもあった。衝突重量は1トン以上にもなるとみられる。看板は設置から30年以上も経っており、ビルとの接合部分が腐食していた。事故の1時間半前にケタを支える小さな部分が落ちていたのだが、看板設置者の料理店は何の措置もとらなかった。

   札幌市の条例では年1回の安全点検が義務づけられているが、最後の点検は3年前だった。それも業者が地上から双眼鏡で目視するだけで、点検項目は18あったが、いずれも「異常なし」「劣化なし」となっていた。札幌市も報告書をチェックするだけ。「問題なしといわれると、信用するしかない」という。 どこの条例も点検方法までは定めていない。

行政も検査報告の書類チェックだけ・・・大阪では死亡事故

   看板やビルの外壁の落下事故は、去年までの5年間に、国に報告があっただけでも35件である。うち18件で歩行者に当たっている。どれも経年腐食、劣化が原因だ。おととし6月に大阪で起きたコンクリート片落下では60歳の男性が死亡した。

   新宿・歌舞伎町でビルの外壁が20メートルから上から落下した事故を機に、新宿区が緊急調査を行った。人通りの多い新宿駅周辺のビルを調べたところ、約3分の1にあたる249棟で看板、外壁のサビ、腐食、亀裂がみつかった。

   看板の設置は許可制だが、安全の確認は点検の報告書類だけ。行政は直接タッチしない。無許可の看板も多いが、これもチェックできない。新宿区は危険なものについて、ビルの所有者に直接働きかける事を考えている。

   なぜもっと確実な安全点検ができないのか。東北芸術工科大の山畑信博教授 は、「コストだ」という。双眼鏡の代わりに看板を直接調べると10倍以上もかかるという。安全管理がおろそかになったのも、「高度成長で造るばかりで点検まで手が回らなかった。トンネルもそうでしょう」

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中