家族のもてあまし者「カツレツ」で目覚めた料理の世界・・・明治・大正シーン素晴らしい!TBS久々ヒットの予感
<TBSテレビ60周年特別企画 天皇の料理番 第1回」(TBS系)

印刷

   後藤新平の伝記『大風呂敷』で有名な伝記作家・杉森久英の原作である。実在の宮内省厨司長・秋山徳蔵がモデル。福井の片田舎の3男坊である秋山篤蔵(佐藤健)は、何をやっても中途半端な家族のもてあまし者。昆布や鰹を商う大店の16歳の長女・高浜俊子(黒木華)の婿養子に入る。2人は初夜から気が合う。お店の使い走りで軍隊の厨房に荷物を届けた時、そこのコック(伊藤英明)に食べさせてもらったカツレツの美味に魅了され、料理の世界に目を開かされる。
   何の下調べもなく上京し、大学生だった兄の周太郎(鈴木亮平)の指導教官が紹介してくれた華族会館のコック見習いになるまでが第1回。妻の俊子を演じる黒木華が出色である。長女らしく親には逆らわずしとやかでおとなしいが、出奔した篤蔵の離縁話の時、毅然として「(彼と)別れなければ私はキズモノと言われない」と離婚に抵抗する。恐らく生涯、篤蔵のよき理解者になるのだろう。
   佐藤健はいいと思わないが、華族会館のシェフ宇佐美鎌市(小林薫)が貫録で続けて見たいと思わせる重厚感だ。明治や大正の街並みを探して全国を回ったという宣伝がオーバーでないほど、ロケシーンのリアリティが素晴らしい。日本がまだ近代国家として若かった時代の、いきいきとした躍動感が伝わってくる。若者が夢を持たなくなったこの時代に、このドラマが提供される意義は大きい。落ち目のTBS、起死回生のヒットドラマになる予感はする。初回の平均視聴率は15.1%だった。(放送2015年4月26日21時~)

(黄蘭)

採点:2
  • コメント・口コミ
  • Facebook
  • twitter

このエントリーはコメント・口コミ受付を終了しました。

注目情報PR
追悼

お知らせ

電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中