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高齢者ストーカー急増!リタイヤ団塊世代「やり残したのは恋愛だけ」

   高齢者のストーカーが急増という。「人生やり残したことは恋愛だけ」なんていい、被害を被っているのは若い女性だけでなく、同年輩の高齢女性もいる。警察庁によると、2014年のストーカー認知件数は約2万3000件で、このうち60歳代以上が2199件と1割を占める。10年前の473件に比べ4倍以上に増えている。

執拗に電話やメール!自宅の押しかけ逮捕

   和歌山県橋本市の85歳の男が80歳の知人女性につきまとった。女性は5年前に、入院した病院で男の妻と相部屋になったことから顔見知りになった。男の妻はおととし(2013年)他界したが、好意を持った男は「電話ぐらい出てくれていいやん」「待っているから出てこいよ」と再三電話をするようになった。女性を脅したとして、昨年1月に脅迫の疑いで逮捕されたが、その後も家に押しかけてくる始末で、昨年6月に住居侵入の疑いで再び逮捕された。

   万引きやストーカーなど長寿社会の裏の問題を取り上げた「老人たちの裏社会」の著者で、ノンフィクション作家の新郷由起さんの体験は「聞くのとは大違い」と恐怖を語った。発端は昨年、高齢者問題で元社長という79歳の男を取材したことだった。「すごいジェントルマンで、身だしなみもおしゃれでパキッとし、背筋もピンとしていた」という。

   しかし、男から話を聞き始めて3時間ほど経って、こう切り出してきた。「あなたはラッキー。私はいま彼女がいない。出会ったのは運命。一緒に暮らしましょう」

   そして、「取材だけで来たわけではないでしょう」と手を添えてきたという。新郷さんは期待をさせてはいけないと思い、「会うのはこれが最後」とはっきり断った。どころが、「今週末、箱根にドライブいかがですか」「コンサートをご一緒できればと思います」と3日に1度の割でメールが届くようになり、やむなく着信拒否を設定したという。

思い込み強く、「世間体」の歯止めもなし

   高齢者によるストーカーの特徴について、ストーカー被害者を支援するNPO法人「ヒューマニティ」の小早川明子理事長は次のように話す。「急増は団塊世代の方が仕事を辞める時期と重なっています。特徴は、思い込みが強い、仕事の成功体験からプライドが高くて拒否に慣れていない、子どもは自立し社会との接点が希薄になり『世間体』というストッパーが効かなくなっているということです」

   司会の加藤浩次「被害にあった方はたまったものじゃないですよね」

   宇野常寛(評論家)「会社のノミニケ―ション以外に楽しみを見つけてこなかった人たちが、退職した後にこうなっちゃう。毎週(AKB48)の握手会に行って、1年に1回の総選挙で何千票も投票してたらそんな時間なくなります。一人でできる趣味を持たなくちゃ」