渡辺謙「ニューヨーク一人ぼっち」の頑張り!平凡な男がスターであり続けるための苦闘びっくり
<プロフェッショナル 仕事の流儀 渡辺謙55歳、人生最大の挑戦>(NHK総合)

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   名だたるニューヨークのリンカーンセンターで「王様と私」のミュージカル舞台を踏む渡辺謙に、昨年の12月8日から密着したドキュメンタリーである。驚いたのは彼の周りにはマネジャーや付き人がいて、何くれとなく世話を焼いているのだとばかり思っていたが全く違っていたこと。彼は近くにアパートを借り、スーパーへ行って食材を買い、コメをといで飯を炊き、たった1人で荷物を背負って劇場に通う。実に孤独なルーキー姿である。大スターなのに。
   有名な演出家、バートレット・シャーのオファーで出演が決まったらしいが、過去に2回も白血病を患い、妻の南果歩は1度しか来ず、英語の発音も現地人には通じがたく、ましてや韻を踏んだ歌まで歌う。実際、渡辺は歌は下手くそ、ちょっと音程も悪いが、かつての王様俳優、ユル・プリンナーも歌は下手だったからいいのか。
   想像を絶する苦闘の日々である。55歳という肉体的な衰え年齢と、3時間ものステージの膨大なセリフ、足は痛くなるし身体中が筋肉疲労で、アパートでマッサージを受ける姿は、スターと言われる人たちの見せたくない面であろう。筆者は渡辺のことを大根ではないが、上手い俳優とも思っていなかったので、天才的な素養のない人間がスターであり続けるために究極まで頑張るところに正直びっくりした。トニー賞にノミネートされて報われたのである。たとえ受賞を逃したとしても渡辺のキャリアの輝きは続くだろう。(放送2015年5月25日22時~)

(黄蘭)

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