キャンセル待ち「中高年お見合いパーティー」シニア婚4倍!老いて恋して結ばれて...

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   シニア世代の恋愛、結婚観が様変わりに変化しているという。厚労省の人口動態調査によると、65歳を超えて結婚した高齢者は1990年は2000人弱だったが、2013年は8000人弱とざっと4倍の増加だ。シニア向け結婚相談所が増え、お見合いパーティーへの申し込みは定員の2~4倍でキャンセル待ちの状態である。

   婚活バーとして知られる都内の飲食店には連日多くのシニア世代の男女が訪れ、60代の未婚男性が子どもを持ちたいと毎日筋トレに励む。結婚相談所に登録する中高年の女性も増加中だ。ひと昔前なら世間体を気にして忍ぶ恋しかなかったシニア世代が、老いて、恋して、結ばれてという変わりようだ。

団塊世代がこれまでにない高齢者像、家族像を模索

   中高年の婚活ブームの背景にあるのは、夫や妻に先立たれた一人暮らしの高齢者の増加、50代を超えてなお未婚という人たちの増加がある。生涯未婚率(2010年)は男性20.1%、女性10.6%と増え続けている。さらに3人に1人が離婚経験者という時代だ。家族や子どもに頼れないなかで、長い老後をともに暮らし、寂しさや不自由さを解消してくれるパートナーを求めるのは必然の成り行きなのだろう。

   国谷裕子キャスターに言わせると、「核家族化で親と同居せず、ロールモデル(模範となる姿)を見ないできた団塊の世代が、年齢の割には肉体的にも精神的にもまだまだ若いと自覚して、これまでのシニアのイメージに捉われない生き方をし、恋愛や結婚は当たり前となってきているのではないでしょうか」

   結婚相談所の「楽天オーネットスーペリア」が60~64歳の独身男性を対象に調査したところ、肉体も心も年齢より10歳以上若いと自覚している人が6割に達したという結果も出ている。中高年の男女から数多くの相談を受けてきた臨床心理士の信田さよ子さんは「時代の先端を走ってきた団塊の世代といわれる60代男女が、これまでにない高齢者像を模索している」と次のように話す。

「今は高齢化社会に応じた結婚、成熟に対する常識が確立されるまでの過渡期と思います。家族像だって実態に常識が追いついていない。どのような新たな常識に落ち着いて行くのだろうか。そう捉えることが必要だと思います」

少なくない金銭トラブル、相続トラブル

   しかし、歳を重ねてもまだまだ若いと情熱を捨てない男性に対し、女性は現実的だといわれている。男女間のトラブルを数多く扱ってきた行政書士の羽村裕介さんは「一人暮らしの男性が寂しさに付け込まれ、財産を騙し取られる相談が増えています」とこんな例を挙げた。60代の男性はインターネットを介して出会った女性に結婚を前提にして約200万円を渡したところ、その直後からまったく連絡が取れなくなった。

   女性は貧困率が高く、とくに単身女性はその割合がさらに高くなる。そこに落とし穴がある。羽村さんは「高齢になってからの恋愛、結婚は金銭トラブル、相続トラブルに繋がりがちだ」と指摘する。

   漫画家でエッセイストの紫門ふみが、国谷キャスターの「愛だけでは暮らしていけないとう女性の話がありましたけど...」にこう話した。「愛だけでは生活できないけど、最後は愛なしでは乗り越えられないでしょう。どんな形で入っていくにせよ、心の通い合うパートナーを見つけて幸せになるなら良いこと。幸せな人が世の中に増えれば、豊かになりますよ。ギスギスした人が増えるよりかはずっといい」

   ただ、こうしたシニア世代の恋愛、結婚がさらに増え続ければ、その子どもや孫にとってはその姿がロールモデルになり、日本人に受け継がえてきた家族観がいずれ様変わりになりそうだ。その時、家族の絆とは何かを改めて問われることになるのではないか。

モンブラン

*NHKクローズアップ現代(2015年6月3日放送「老いて 恋して 結ばれて~超高齢社会の『男と女』~」)
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