2024年 4月 25日 (木)

「ブラックバイト」泣き寝入りしないぞ!学生たちが労働組合立ち上げ―未払い賃金・こき使い改善要求

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   深夜の長時間労働や賃金の未払いなど過酷な条件で学生アルバイトを働かせる、いわゆる「ブラックバイト」の被害が広がっている。辞めたくてもやめられず、学業に支障をきたす学生も後を絶たない。こうしたブラックバイトの被害を食い止めるためにはどうすればいいのか。

   京都市内の大学に通う雄太さん(19歳、仮名)は塾講師のアルバイトをしていて、大学の講義がおわってから週に5日働いている。勤務時間は夜8時から10時半までということになっているが、雄太さんは深夜0時を回っても塾から出てこない。期末テストの問題集作りに追われていて、結局、帰宅できたのは翌朝5時20分だった。さらに雄太さんが困っているのが賃金の未払いだ。朝まで働いた残業代がカウントされないのだ。

   こんな毎日では学業との両立が難しいと考えた雄太さんは、経営者に「講師を辞めたい」と申し出た、すると驚きの答えが返ってきた。

「代わりの講師を見つけてこい!」

「団体交渉に理由なく応じないと違法になります」に経営者真っ青

   似たような話は全国どこにでも転がっている。こんな状況を打開するため、先月4日(2015年7月)、東京都内である記者会見が行われた。大学生たちが労働組合・ユニオンを立ち上げ、自ら労働環境を改善していくことを表明したのだ。学生たちが運営するユニオンは全国で8か所に広がっている。学生たちの相談に乗るだけではなく、必要に応じて会社との団体交渉を行い、労働条件の改善につなげる。

   NHKが取材していた日、ある大学生から塾講師のアルバイトについて相談が寄せられた。残業代の未払いがあったという。相談を受けたユニオンは相談者とともに塾経営者に団体交渉を申し入れた。相談者は経営者にこう切り出した。

「賃金未払いということで、なんとかして欲しい」

   さらにユニオンの一員がこう付け加えた。「団体交渉の申し入れについて、不誠実な対応をされますと、労働組合法に違反ということになります」

   この言葉に驚いた経営者はそれまでの態度を一変、後日交渉の席に着くことを約束した。

「当たり前でないことが当たり前になってしまっている現状」

   国谷裕子キャスター「大事なのは、自分たちにはどういう権利があるかということを教えるということですか」

   中京大学の大内裕和教授「当たり前でないことが当たり前になってしまっているんですね。本当は当たり前なんかじゃなくて、不当な目にあっているということを人々が知るために、(ユニオン)は大事な試みだと思います」

   国谷「具体的な対策としてはどんなことがあるんでしょうか」

   大内「労働法の教育は自分が置かれている状況が不当であるということを認識するためにとても重要なと思います」

ビレッジマン

*NHKクローズアップ現代(2014年7月13日放送「なぜ広がる『ブラックバイト』被害」)

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