<花燃ゆ>(NHK)
もう限界!「前代未聞の珍大河」イケメンも幕末エピソードもスベりっぱなし・・・とうとう乃木坂46大量投入とはズッコケた

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   今さらという感じもするが、今回はその年のNHKドラマの顔とでもいうべき、大河ドラマについて書く。発表されたときから「誰だ、それ」とほとんどの人が思ったであろう、吉田松陰の妹で、後に久坂玄瑞の妻となる杉文(後の楫取美和子)を中心に、兄の松陰と松下村塾の弟子たちの人間模様を織り交ぜながら、幕末から明治維新へ向けた激動の時代を描く・・・はずだった。

おにぎり握ってお台場造りの手伝いしか出番がない無名の主人公

   キャッチコピーが「幕末男子の育て方」「イケメン大河」ということで、吉田松陰(伊勢谷友介)を筆頭に、久坂玄瑞(東出昌大)、高杉晋作(高良健吾)、入江九一(要潤)、吉田稔麿(瀬戸康史)など、イケメンでかつ実力派の俳優がひしめき合っているうえに、文(井上真央)の再婚相手には小田村伊之助(大沢たかお)と、なんともうらやましくなる配役である。

   実際に二十歳そこそこの若者たちが活躍していたのだから、イケメンを並べる大河でもかまわない。2年前の「八重の桜」でも同じようにイケメンを並べており、幕末の描き方もしっかりしていて好印象だった。何よりもヒロインが自分で行動していた。しかし今回はなんとも苦しい。

   まず最初の数か月は吉田松陰が中心となって展開したが、これが予想以上につまらない。そもそも主人公の売りは「松陰の妹」でしかないのだから、松陰をじっくり描かざるを得ないのかもしれないが、松陰が入れられた獄の囚人のエピソードで数話持たせるなど、引き伸ばしすぎて間延びもいいところだ。

   松陰が処刑された後は、夫の久坂が話の中心となった。東出昌大演じる長身でイケメンで秀才、松陰も一番期待していたという人物を期待しながら観たが、うじうじと優柔不断で、長州藩の意見もうまくまとめられず、自信を失い京の芸妓と浮気するなど、なんとも魅力のない人物に描かれ、東出くんがかわいそうで仕方ない。

   そしてここまで約半年、主に文がやったことと言えば、塾生たちに大量のおにぎりを握る、大福を作る、坂本龍馬と雑談する(このためだけに龍馬登場)、萩の台場造りを手伝う、と早送りしても何の支障もないことばかり。主人公のシーンが丸ごと不要という驚きのドラマだ。

一転、『大奥もの』も使い古された設定ばかりでオバサンもうんざり

   主人公のどうでもいいシーンが延々と流れるせいか、塾生が掲げる志が何なのか、イマイチ伝わってこない。そればかりか、幕末の歴史を描く時間がないとばかりに、桜田門外の変はテロップのみですませ、池田屋事件も禁門の変も、緊迫感がまるでなくパパッと過ぎるありさまだった。

   いつ誰が幕末男子を育てたのか全くわからないまま松陰が死に、久坂も死んでどうするのだろうと見ていたら、突然「新・花燃ゆ」と銘打って、長州藩の大奥(正確には奥)で文がキャリアアップする話になった。大奥もののお約束とばかりに、威厳のある総取締役、わがままなお姫様、意地悪な同僚など、使い古された設定ばかり。なのに、飛び道具的に乃木坂46を10人も投入するなど、どこをターゲットにしているのかもわからなくなってきた。

   奥で下働きとなった文が高杉晋作に礼服を届けに行くなど、苦し紛れに主要人物との絡みを持たせるものの、なぜか高杉が文のことが好きだったことを遠回しに告白していて仰天。要らなすぎるだろう、それ。そうじゃなくて、禁門の変後に長州征討がどうなったか知りたいんですが。

   何かと注目されるドラマで、低視聴率の責任は自分にありますと井上真央がけなげに話していたのを見て、かわいそうで応援していたが、もう限界。「利家とまつ」「功名が辻」でオバサンたち相手に視聴率を取った成功体験が忘れられないのかもしれないが、歴史上まったく無名な女を「内助の功」一点突破で主人公にすること自体、無理があるとNHKは早く気づいて欲しい。オバサンだって代替わりするんだからね。

   個人的には高杉晋作が好きなので、彼が死んだら視聴リタイアすることをここに宣言します。(NHK総合日曜よる8時)

カモノ・ハシ

文   カモノ・ハシ
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