2024年 3月 29日 (金)

憲法学者・木村草太さんの目からウロコの指摘「安保法制は曖昧不明確なゆえに無効」

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「安倍あたまオカシい。完全に歴史を誤った方向に進めた」
「マスゴミ批判発言の謝罪とこの件で安倍支持やめるわ。総理辞任しろ、低学歴カス」
「安倍が売国奴だと、今の今まで気がつかないで安倍を持ち上げてた」
「とりあえず、死ね安倍」

   断っておくが、この「雑言」は私のではない。世界遺産に登録された「軍艦島」など日本の近代化産業遺跡群をめぐり、韓国側は第2次世界大戦中に朝鮮人が強制労働させられた施設が含まれていると登録反対を主張し、さまざまな妨害活動を繰り広げてきた。

   登録されたその日、日本の代表団が「意に反して厳しい環境のもとで働かされた(forced to work)朝鮮半島の人々がいた」と言及したことに怒ったネトウヨたちが、インターネットの掲示板やFacebookなどに一斉に書き込んだのを『週刊現代』が拾ったものである。だが、世論の大多数が反対し、ほとんどの憲法学者が違憲だとする安全保障関連法案の採決を強行した安倍首相への批判と見事に重なるではないか。

「憲法九条に反してるからというよりは、内容の不明確な法律は作ってはいけないんです」

   先日、憲法学者の木村草太さんとこの件で話し合った。彼は7月13日(2015年7月)、衆院特別委員会の公聴会に呼ばれて「日本への武力攻撃の着手がない段階での武力行使は違憲だ」と真っ向から批判したが、次の指摘が私には一番腑に落ちた。

「今回の法案はどちらかというと、憲法九条に反してるからというよりは、専門用語では『曖昧不明確なゆえに無効』と言うんですけれども、内容の不明確な法律というのは作ってはいけないんです。言われてみれば当たり前だと思うんですが、法律というのは枠を付けるためにやるわけですから、その枠は明確でなくてはいけない。枠が明確になっていれば合憲だとか違憲だとか、政策的に良し悪しが判断できますけれど、今回はあまりにも政府の内容が不明確です」

   7月16日のasahi.comによれば、「くしくもこの日は、首相の尊敬する祖父、岸信介元首相が1960年、日米安保条約改定を巡る国会の混乱から退陣した日だ」という。歴史は繰り返すか。

   戦後、国民大多数の総意で守り続けてきた憲法を「襤褸の旗」にしてしまおうという安倍のやり方は、許されるものではない。国民主権が蔑ろにされたこの屈辱の日をわれわれは絶対忘れない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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