2024年 4月 16日 (火)

FIFA汚職一番のワル「ワーナー元副会長」開き直り!私は何か悪いことしたでしょうか

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   先週行われたサッカー女子W杯カナダ大会の表彰式で、FIFAの幹部らが姿を現すと観客から一斉にブーイングが浴びせられた。185億円もの不正のカネをやり取りしていたとして、幹部9人を含む14人が起訴されたFIFA(国際サッカー連盟)の汚職事件では、関係者からも「W杯はカネのなる木」(元幹部)、「史上最大の詐欺師集団」(FIFAに関連する会社の元社員)などといった声が上がっている。

   これまでに分かったFIFA幹部の不正の内容は、W杯開催地の決定、試合の放送権、スポンサー権などのビジネスをめぐる利権に便宜をはかる見返りに、ワイロを要求し私腹を肥やすものだった。米司法当局がまとめた160ページの起訴状には、いつどのような形で、誰から誰にカネが渡ったのかが詳しく記されている。

   それによると、1995~1998年に316億円だった収入が、サッカー人気の高まりとともにスポンサー権料や放送権料が高騰し、2011~2014年には7033億円と25倍に膨れあがった。ところが、運営するFIFAは、会長を筆頭に副会長8人、理事16人の合わせて25人の理事会に権限が集中する閉鎖的な組織がそのまま維持され、金権体質がはびこる温床になっていった。

会長と二人三脚で「カネと票」ワイロ20億円

   不正取引の中心にいて最も多くのカネを受け取っていたのが、元副会長のジャック・ワーナー(トリニダード・トバゴ)だった。ワイロは分かっただけでも20億円を超えている。

   サッカー小国のトリニダード・トバゴのサッカー協会会長だったワーナーが、どのようにしてFIFA副会長として権力を握るようになったのか。背景にはFIFA前会長(1974~1998年)のジョアン・アベランジュの拡大路線がある。W杯の出場枠を増やすために、アジア、アフリカ、北中米などに割り振り、サッカー新興国の取り込みを図った。1990年に北中米サッカー連盟会長に就任したワーナーは、この拡大路線に乗って周辺島国をつぎつぎとFIFAに加盟させて発言権を強め、FIFAの理事に就任する。起訴状によると、このころからワーナーは不正を行うようになったと記されている。

   さらに、W杯フランス大会が行われた1998年に、ワーナーは一気に権勢を拡大する。会長選挙で現会長のゼップ・ブラッターが当選したが、副会長に就任していたワーナーが北中米カリブ海諸国の票をとりまとめ、当選に大きく貢献したとされる。

   ブラッター会長の側近だったFIFA元幹部は、「これを機に会長とワーナーは互いに利用し合う関係を築いていった。会長は票を手に入れ、ワーナーは現金を手に入れた。会長はワーナーのやりたい放題を黙認。息子をFIFAに入れたいというワーナーの意向で新たな役職を作ったこともあった。すべて票のためです」と証言する。

   サッカービジネスが急速に発展していったのもこのころからで、FIFAの利権が急拡大する。起訴状によると、この時期、ワーナーに頻繁にカネを提供するようになったのが、スポンサー権料や放送権料のビジネスを手掛け、ブラジルに本部を置くトラフィックグループだった。ワーナーにはこのグループから1度に数千万円が渡された。

   ワーナーは地元で新聞社やホテルを経営する実業家として成功し、サッカー振興を目的としたFIFAからの資金でスタジアムを改修するなど貢献が認められ、国会議員でもある。

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