山口瞳さすが連載コラムの手練れ!「戦後はアメリカの妾の世話やく宦官の時代」

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   暑い! 茹で蛸状態だからか、各週刊誌とも小粒な記事が多い。そこで私の独断と偏見でいくつか選んでみたのでご覧あれ。

   『週刊新潮』ではすでに鬼籍に入ってしまった山口瞳と山本夏彦の名物連載「男性自身」「夏彦の写真コラム」から選んだ数本を掲載している。改めて読んでみたが、二人の視点や話の運びのうまさ、夏彦の時代を切り裂く鋭い文章にはいまさらながら恐れ入るしかない。

   少し不満が残るのは山口の「卑怯者の弁」が入っていないことだ。週刊新潮編集部と少し考え方が違うからだろうか。この文章は清水幾太郎が月刊誌『諸君』(昭和55年10月号)に「節操と無節操」を寄稿し、このように書いたことへの反論である。

「国家というものをギリギリの本質まで煮詰めれば、どうしても軍事力ということになる。ところが、その軍事力の保持が、日本の徹底的弱体化を目指して、アメリカが日本に課した『日本国憲法』第九条によって禁じられて来たのである。日本は『国家』であってはならなかった」

   戦中派である山口は「国家=軍事力」という箇所に「理屈ではないところの生理的な反撥が生じてくる」とする。そして清水の文章に、戦時中によく聞いた「臭い」を感じるのだ。

   そして、「戦後という時代は、私には宦官の時代であるように思われるのである。アメリカが旦那であって日本国はその妾であり、日本の男たちは宦官であって、妾の廻りをウロウロしていて妾だけを飾り立てることだけを考えている存在であるように思われた」と書いているが、この構図は現在も変わっていない。

   清水が「戦争のできない国家は国家ではない」と規定することに対して、「戦争することの出来る国家だけが国家であるならば、もう国家であることはゴメンだ」と切り捨てる。国家を代表するものは日本政府、日本政府とはすなわち自民党のことである「自民党を操る者は田中角栄である。田中角栄のために命を捨てろと言われても、私は嫌だ。私は従わない」

   田中を安倍に置き換えれば、今でも立派な安倍批判になる。

   清水が、日本が侵略されるということは、敵兵による略奪が行われ、妻や娘たちが暴行されることだとしていることにも、「ああ、聞いた聞いた。(中略)あの時の声とそっくり同じである。(中略)こういうのがデマゴギーということになる」と厳しく断じている。

   大岡昇平の「俘虜記」を引用しながら、山口はこう覚悟する。「撃つよりは撃たれる側に回ろう、命をかけるとすればそこのところだと思うようになったのは事実である。具体的に言えば、徴兵制度に反対するという立場である」

   日本ペンクラブの「電子文藝館編纂室」に全文が載っている。ぜひ読んでいただきたい。

又吉直樹読んでみた!心配になるあの暗さ・・・太宰治を気取っているだけならいいが

   今週も各誌、又吉直樹の特集を組んでいる。「火花」をとりあえず読んでみようとアマゾンを覗いてみると、8月3日(2015年)まで入荷しないというので、kindle版を入手して読み始めた。書き出しの数行で、この男ただものではないかもしれないと思った。

<大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の音が重なり響いていた。熱海湾に面した沿道は白昼の激しい日差しの名残を夜気で溶かし、浴衣姿の男女や家族連れの草履に踏ませながら賑わっている。
   沿道の脇にある小さな空間に、裏返しされた黄色いビニールケースがいくつか並べられ、その上にベニヤ板を数枚重ねただけの簡易な舞台の上で、僕達は花火大会の会場を目指して歩いて行く人たちに向けて漫才を披露していた>

   書き出しにこそ神は宿る。売れない漫才師が花火大会の余興に呼ばれ、粗末な台の上で漫才らしきものを大声でやるが、花火に急ぐ人たちは足を止めてくれない。芸人とその世界が抱える不条理。これから描かれるであろう売れない芸人の悲哀と破局を予感させる。

   又吉の分身である徳永と、彼が漫才師として尊敬する先輩・神谷との関係を中心に話は展開する。四六時中芸のことを考えているのに売れない芸人のやり切れなさや、相方との行き違いなどのエピソードを織り交ぜながら、全体を貫いているのは、「全身漫才師」として生きようとする神谷の苦悩と狂気である。

   又吉の考える「漫才論」もそこここに散りばめられている。たとえばこういう箇所がある。<必要がないことを長い時間をかけてやり続けることは怖いだろう?

   一度しかない人生において、結果が全く出ないかもしれないことに挑戦するのは怖いだろう。

   無駄なことを排除するということは、危険を回避することだ。

   臆病でも、勘違いでも、救いようのない馬鹿でもいい、リスクだらけの舞台に立ち、常識を覆すことに全力で挑める者だけが漫才師になれるのだ>

   だが、読み終わった読後感は残念ながら満足感とは遠いものであった。売れない芸人としての悲哀も、神谷の狂気も、私にはさほどのものとは思えなかったからだ。それに、徳永や神谷の「芸」が私には少しもおかしくなかった。これでは漫才師としては売れないだろうな、そう思わざるを得なかった。

   本を読んだあとYouTubeで「ピース」のコントを何本か見てみたが、クスリとも笑えなかった。もっとも、私にとっての漫才は横山やすし、西川きよしで終わっているから、わからない私のほうが悪いのかもしれない。

   海援隊の武田鉄矢をもう少し暗くしたような又吉の顔は、すでに作家の顔である。太宰が好きで、太宰忌(桜桃忌)には毎年、追悼の「大宰ナイト」をやっているそうだから、気分も生き方もすでにして作家なのであろう。

   又吉の作家としての力を測るには、これから書かれる作品を待つしかないが、気になるのはあの若さで抱え込んでいる闇の深さのようなものである。太宰は38歳で玉川上水に身を投げた。私が好きだった落語家・桂枝雀(享年66)は舞台で見せる破天荒な明るさの裏に狂気を垣間見せていたが、突然、自死してしまった。又吉の持つ暗さが、太宰を気取っているだけならいいのだが。

膳場貴子3度目の結婚!また東大出・・・女子アナで群を抜く美人だが、男運は良くなさそう

   ガラッと変わるが「ニュース23」(TBS系)で人気のある女子アナ・膳場貴子(40)が3度目の結婚、それもできちゃった婚をしたそうだ。『週刊文春』によれば、彼女は世田谷生まれで幼少期はドイツで過ごしたという。中高は女子学院、ストレートで東大文Ⅲへ進学。NHKに入社して、03年には紅白歌合戦の司会にも抜擢されている。その後退職して、現在はTBSと専属契約を結んでいるそうだ。

   美人で才女。仕事は順調だが、男運はよくなさそうだ。01年に東大在学中に交際していた男性と結婚するが2年で離婚。05年には元ミュージシャンで大手電機メーカの社員と結婚。彼も東大の同級生だった。彼とも2年で離婚している。

   今度の亭主も東大出で大手広告代理店勤務だという。私は膳場のファンではないが、テレビで見る彼女は女子アナのなかでも群を抜いて美人である。彼女には失礼だが、彼女がニュースを読む顔を眺めながら、彼女がテレビを離れて好きな男といるときにはどんな表情や仕草を見せるのだろうかと妄想をかき立てながら、酒を飲むのがささやかな楽しみである。

   落語に「短命」という艶笑噺がある。大家の大変美しい娘が申し分ない婿さんを迎えるのだが、次々に死んでしまう。美人の女房がそばにいては身が持たないという噺だが、膳場アナを見ていてこれを思い出す。彼女の亭主たちは亡くなったわけではないが、膳場のような女房がいたら、男は奮い立ち、仕事も私生活も励みすぎて疲れてしまうのかもしれない。

私大「実就職率ランキング」トップは関西学院!意外に低い早稲田、慶応

   週刊文春に早慶とMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)の「就職力ランキング」が載っている。ここに実就職率(就職者数を院生を含む卒業生から大学院進学者数を差し引いた数で割り、100を掛けたもの)ランキングが出ているが、関西学院88.5%、青山学院88.2%、法政、関西、同志社と続き、早稲田は82.6%、慶應は83.6%である。

   学部別のランキングでは、慶應の看護医療学部が1位で99.0%、同じ慶應の医学部が2位で98.1%。関西の環境都市工学部が3位で97.0%、法政のデザイン工学部、青山学院の社会情報学部、関西学院の理工学部、青山学院の理工学部と続いている。

   早稲田はやっと17位に創造理工学部、18位に政治経済学部が顔を出す。私のいた学部、商学部は24位だった。MARCHの躍進が目立つ。

45%の人は腰痛なくなった!たった3秒の体操を1日数回

   腰痛で悩んでいる人は多いだろう。実に2800万人もが苦しんでいると『週刊ポスト』は書いている。先日、NHKスペシャルで腰痛を扱ったものが評判だという。腰痛のメカニズムを知ればたちどころに痛みが消えるというのだが、本当か。

   メリーランド大学助教授のデイヴィッド・セミノウィッツ博士に話を聞いたところ、こう説明してくれたという。<「脳内にあるDLPFC (背外側前頭前野)と呼ばれる人間の判断や意欲などを司っている部分は、脳内で作られた『痛い』というシグナルを鎮める役割を果たします。慢性腰痛を抱える患者の脳は、この部分の体積が減っていた(小さくなっていた)のです。これによって脳の構造の変化と痛みが関係していることがわかりました」>

   そのため、いたって手軽な運動で45%の人の痛みが改善するというのだ。お尻に両手を当てて息を吐きながら背中をゆっくり反らす。この姿勢で3秒間。ひざはできるだけ伸ばす。これだけの体操を1日数回やるだけで、ギックリ腰がなくなり、腰の痛みもなくなるというのだ。私もこれからやってみよう。

スマホでお手軽体験「バーチャルリアリティ」セックス!本当ににシテる気分

   最後は飯田編集長が復帰してから猛然と再開した週刊ポストの「死ぬまでSEX」特集。その第3部、新潮流「バカ売れラブグッズから映像革命まで最新技術を大紹介 したことないSEXは、ここまでできる」を紹介しよう。

   バイアグラはもう古い。今は陰茎の亀頭部分に薬剤を注入して大きくする「亀頭増大法」というのがあるそうだ。青山セレスクリニック理事長の元神賢太氏がこう解説する。<「注射する薬剤には今まで、ヒルアロン酸やコラーゲンが用いられてきましたが、これらは注射後6~12か月程度で体内に吸収されるため、せっかく大きくした亀頭が萎んでしまいます。

   そこで近年主流になっているのが、鼻やアゴのプチ整形にも使われるパーフォームという薬剤。体内に吸収されにくく、一度施術すれば効果は半永久的に持続します」>

   バーフォームの硬さはテニスボールに近いという。硬すぎず柔らかすぎず、亀頭増強には最適だという。

   お次は「アインス」なるバイブレータがバカ売れしているそうだ。ドイツに本社をおくFUNFACTORY社が13年1月に発売し、日本でも好調な売れ行きが続いているため、7月15日にセールスマネージャー、トーマス・ボーダイス氏が来日したというほどだという。

<「アインスは同社が構想から3年の歳月をかけて開発したもので、単純なバイブレーションではなく、セックスにおける男性のピストン運動を再現した画期的な製品です」(トーマス・ボーダイス氏)>

   価格は2万5920円とお高いが、なかなかの優れものだそうだ。

   6月にロサンゼルスで開催された世界最大規模のゲーム見本市で、バーチャルリアリティ(仮想現実)技術を用いたディスプレイが大きな注目を集めた。それをスマホを使ってお手軽に体験できる「ハコスマ」と呼ばれる画期的な装置がある。

   AV業界がその新技術をさっそく活用して専用のエロ動画を制作し始めたそうだ。その代表格である「エロスハウス」の動画を「ハコスマ」を使って試聴してみたら、10人ものカップルのSEXシーンを、自分も参加しているような没入感で見られるそうだ。

   コンピューターで作られた世界に自分自身が飛び込むVR(仮想現実)に対し、現実の世界と過去の映像を混同させることで実在しない人や物が目の前にあると錯覚させるSR(代替現実)という技術があるという。それをビジネスに生かそうとしているのはオナニーグッズメーカーのTENGAである。

   まずヘッドマウントディスプレイを装着して椅子に座る。目の前に女性が立っているのが見える。すると女性は記者の後ろに回り込んで1度視界から消え、再び目の前に戻ってきた。次に女性は突然服を脱ぎはじめ、美しい乳房を露わに。「触っていいよ」といわれ、前方に手を伸ばすが、そこには女性がいなかった。

   同社の取締役の松浦隆氏が語る。<「いま構想しているのは、ビデオボックス事業です。例えば、受付のきれいな女性に個室の中に案内されて、ヘッドマウントディスプレーを装着する。女性はいったん部屋から出ていく。再び戻ってきた女性が裸になってTENGAの製品でオナニーを手伝ってくれる。でも部屋に戻ってきた女性は映像で、実際は男性スタッフがオナニーを手伝っている、なんてことも可能なんです。1度現実の女性を見せているからこそ、映像で脳を錯覚させることができる。何年先になるかわかりませんが、いろんなビジネスを模索中です」

   これからは男も女もリアルなのはいらなくなって、仮想空間で満足できる時代になりそうだ。私のような古い人間には寂しい気がしてならない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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