松嶋菜々子 中年になっていい味出てきたねえ・・・人生の悲哀「顔芸」で表現できる女優に成長
<レッドクロス~女たちの赤紙>(TBS系)

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   恐らくスタッフは引揚者たちから戦時中の体験や見聞きしたエピソードを数多く集めたのだろう。怒涛のように次々に起きる事件が巧みにつなぎ合わされていて、どれもリアリティがあった。敵味方なく負傷兵は救うという赤十字の博愛精神の持ち主、天野希代(松嶋菜々子)は佐賀の地から祖父(山崎努)らに送られて旧満州に従軍看護婦として赴任する。そこでは博愛の精神など通じない。
   軍医の大竹英世(笑福亭鶴瓶)が軍の高官の要求に従い、次第に理想を捨ててゆく姿に希代は絶望し、1度は看護婦を辞める。満州開拓団の温厚な中川亘(西島秀俊)と出会って、つかの間の幸せを掴むが、やがて、終戦後のソビエト軍の襲来や、中国共産党軍の侵攻など目まぐるしく押し寄せる軍隊と、居場所のない日本人の逃亡の日々。亘との間に出来た一粒種の博人とは生き別れになり、過酷な人生に翻弄される。博人たちが中国人のセリにかけられるシーンは痛ましい。共産党軍隊長になる中国人俳優が素晴らしくいい男。
   松嶋菜々子のスタイルの良さが戦時中にしては違和感があるが、それを補って余りある熱演。私生活でも母親を体験し、中年になった彼女が、内面からにじみ出る人生の悲哀を顔芸で表現できる女優になったことは喜ばしい。祖父の山崎努が20年も経っているのに元気で変わらないのは少々ヘン。もっとヘンなのは大戦中の日本兵の陸軍軍人に一切の長髪はなし、くりくり坊主でなければおかしい。(放送第1夜2015年8月1日21時~、第2夜2015年8月2日21時~)

(黄蘭)
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