過不足なく描いた小林一三!経済人としての卓抜、アゲマン芸者を妻に迎えるアバウトさ・・・宝塚歌劇団創設の後編が楽しみ
<経世済民の男 小林一三 前編>(NHK総合)

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   前回と前々回の「高橋是清」編よりはマシだ。「是清」編は経済人としての非凡さの部分の描き方が足りず(脚本家が経済オンチだナ)、妻妾同居の面などに偏り過ぎて是清の偉大さが伝わらなかった。今回は仕事と私生活の2面が分裂していない。
   筆者は小林一三と聞くとすぐ宝塚歌劇団を思い出すが、彼の前半生の小説家になりたいがなれず、平々凡々のぬるーい銀行員だったという経歴が面白かった。また、結婚したての奥方がトンヅラして馴染みの芸者を妻に迎えたという関西人らしいアバウトさも初耳でおかしかった。
   小林一三(阿部サダヲ)は破天荒の元上司・岩下清周(奥田瑛二)に説得されて、左前の箕有電鉄を精算するよう任されるが、逆に田舎から大阪の都心までの電車を引いたり、郊外型の分譲住宅を発案したりして、経済人としての才能の片鱗を見せる。が、借金だらけ。
   芸者上がりの妻・コウ(瀧本美織)は今でいうアゲマンで、早くに親を亡くした一三に家庭の味を教えてやる。阿部サダヲはちょこまかした三枚目の経済人にピッタリだが、後半の宝塚歌劇団での活躍ぶりを見ないとピンとこない。宝塚歌劇団での小林一三は、ほとんど神格化されているから、前篇の彼がどのように変身して行くか楽しみに見たい。
   瀧本美織はカツラがよく似合う。筆者の経験では阪急宝塚線のラッシュの混み方は日本一。独特のハイソな宝塚線沿線族を生み出した名電車である。一三の功績は限りなく大きい。(放送2015年9月5日21時~)

(黄蘭)

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