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天津大爆発いまだ原因不明!倉庫搬入業者「呆れるずさん管理。危険物も野ざらしだった」

   先月12日(2015年9月)、消防士ら160人以上が死亡したが中国・天津の爆発現場周囲はいまも厳重な警備態勢が敷かれ、事故原因も不明のままだ。爆発を起こした「瑞海国際物流公司」化学薬品倉庫の内情を知る搬入業者はずさんな管理をNHKに証言した。

   「瑞海は長期間危険物を野ざらしにしていた。本来コンテナを置いてはいけない場所にもたくさん置いていた。中身がわからなくなって問題になったこともあった」

   日系企業は薬品の種類によって倉庫の温度や湿度を変えるなど、安全管理を徹底するために多額のコストをかけているが、瑞海は格安の料金にして儲け優先だったという。「みんな値段が安い会社を選ぶ。安ければよいと、法律や基準を無視して金儲けだけを考えている。その結果、危険な状況になっている」(日系倉庫会社の代表)

中国内で今年だけで化学関連施設爆発17件

   こうした企業体質は、天津、瑞海だけではなく、化学関連施設の爆発事故が、判明しているだけで、今年すでに17件も起きているという。

   中国ウォッチャーの興梠一郎(神田外語大学教授)はこう話す。「企業を誘致するときに、あまりハードルが高いと来ないということがあります。そこで罰金を安くしたり、許認可を早くしたり、コストを重視して、民衆の安全性をあまり重視しない。これがいろんなところで起きてるパターンです」


   *NHKクローズアップ現代(2015年9月15日放送「天津爆発事故 中国社会の深い闇」)