「鬼怒川豪雨」もし東京で降ってたら・・・死者6300人。神田川、善福寺川氾濫。中野、杉並、三鷹、武蔵野水没

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   『週刊新潮』のグラビア「大水に呑まれた日常」と降り続く都内の雨を見ながら、ボーッとしている。写真は9月11日(2015年)16時半の茨城県常総市役所近く。身体の半分が水に浸かった男性2人が子供を肩車している。だが、後ろの車のフロントガラスに残った線を見ると、少し前までは男性の首まですっぽり埋まる高さまで水位があったことがわかる。

   総雨量が600ミリを超えたといわれる。『週刊文春』によれば、多くの自治体は大雨時の浸水ハザードマップを公開しているが、その多くは総雨量589ミリを記録した2000年の東海豪雨を基準に作成しているため、それを超えたら被害はどれくらいになるか計り知れないという。

<「鬼怒川の豪雨が首都圏で降れば被害はその比ではありません。利根川氾濫を対象とした政府の試算では、最大で死者六千三百人の被害が出ると予想されています」)(土木学会首都圏低平地災害防災検討会座長・土屋信行氏)>

   私の住んでいるのは東京中野区で大久保通り沿いだ。武蔵野台地に位置する東京西部である。土屋氏は、武蔵野台地には神田川や善福寺川などの中小河川が数多くあり、台地を削って流れているため勾配が急だから、短時間で水位が上がるといっている。

   中野の他には杉並区、三鷹、武蔵野市がゲリラ豪雨に注意が必要だそうだ。私の家は青梅街道と早稲田通りの谷間にある。そのためだろう、小学校は「谷戸小学校」という。子供の頃は、台風が来るとすぐ近くの桃園川があふれ、床下浸水は何度も経験している。今はその川が暗渠になり歩道になっているからわからないが、ゲリラ豪雨があれば間違いなく氾濫するだろう。

   先日早朝、震度4の揺れの大きい地震があった。70年間、さほど大きな天変地異もなくきた東京だが、そろそろという予感がある。

   世紀末を思わせる映像の中で、唯一明るい話題になったのは、濁流の中でピクリとも動かず次々に流されてくる家々を受け止め、スックと立っていた1軒の白い家だった。週刊文春によれば、これは旭化成のヘーベルハウスだそうである。鉄骨の枠組みの堅牢な造りで、阪神・淡路大震災のときも7棟あるヘーベルハウスは健全な姿で立ち続けていて、写真誌にもその姿が掲載されたそうだ。たしかに他の〇〇ハウスより頑丈そうだが、高いのだろうね。

安保関連法これからが勝負!来年の参院選で目にもの見せてやろう

   安全保障関連法案に反対する運動の輪が広がっていることに、60年安保当時を少し知っている世代の私は感動している。安倍首相やその周辺の人間は、たいした数ではないなどいっているが、とんでもない。あの当時と違って、政治に無関心な人間が多い中で、若者を含めこれだけの盛り上がりを見せていることに畏れるべきである。

   SNSを含めたメディアの多さを考えれば、当時と匹敵するか、それを凌でいると思う。こうした反対運動の広がりを見ていながら、ことの重大さをわからない週刊誌が多すぎはしないか。

   週刊新潮などは取り上げてはいるが、その視点は誉められたものではない。「『SEALDs』国会デモの経歴は就活に不利か有利か?」「長い時間がかかる『違憲訴訟』の最終的な結末は?」「『国会デモ』の新聞全面広告の代金は誰が出したか?」など、本筋と関係ないところばかりで、週刊新潮の姿勢にこそ「疑問(週刊新潮のタイトルは「『安保法案』7つの疑問」)」がある。安保法案に賛成なら賛成とハッキリ態度表明して特集を組めばいいのだ。

   私の知り合いたちも毎夜国会周辺に行っているが、私は行かないことにしている。60年、70年の安保闘争は成立してしまってからあっという間に衰退し、多くの人間は就職して社畜の人生を選択し、政治や社会への怒りを忘れていった。私は学生運動には関わっていなかったが、同じ穴の狢である。

   今回はこのような愚を犯してはいけない。日本もその当時とは大きく異なり、非正規労働者や下流老人たちが増え続ける社会に対する不満が、今回のような反安保のうねりになったと思う。デモに参加したというカタルシスだけを味わって、法案が成立したら忘れ去ってしまうのがこれまでのパターンだが、今回は法案が成立してからが勝負である。

   悔しさを忘れず、次の参議院選までその悔しさを持続しなければいけない。私も早稲田の塹壕から弾を撃ち続ける。一人一人が自分のできる範囲で、この安保法制を批判し無効にしていく運動を続けていくことこそ大事なはずである。

3人転落死・虐待の老人ホーム「事件化」難しい?遺体すでに火葬

   ちょうどタイミングよく、今週から『週刊ポスト』でノンフィクション・ライター佐野眞一氏の「一九六〇唐牛健太郎と安保の時代」が始まった。『週刊朝日』で橋下徹大阪市長の連載が1回で休止になってから久々の登場である。

   週刊朝日騒動の後、盗作騒ぎなど「佐野バッシング」が起こり、精神的にも肉体的にも落ち込んでいたが、ようやく立ち直っての復帰第1作。書き手としても正念場の佐野氏が60年安保の時代をどう書くのか、楽しみにしたい。

   しかし、ひどい老人ホームがあったものだ。週刊文春と週刊新潮がともに扱っている川崎市幸区の介護付き老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」のことだ。昨年(2014年)11月から12月の間に、そこに入居していた要介護の男女高齢者3人が相次いで「転落死」したのである。

   ベランダの高さは120センチあった。亡くなった女性2人の身長は140センチ台だというから、80代、90代の高齢者が乗り越えることは考えられないと、週刊文春でベテラン介護士が話している。遺書もない。故意にやったとすれば重大な犯罪である。神奈川県警が動き出した。そして、この事故が起きた「すべての夜に勤務していた」介護職員、23歳のAが捜査線上に浮かんできたという。

   Aは5月に施設内で窃盗事件を起こし逮捕(起訴されたが200万円で示談が成立)されていたこともあり、心証は真っ黒だと社会部記者が語っている。Aは5月に解雇されている。だが、逮捕されたときのために取材しているマスコミの囲み取材に対して、Aは「疑われているのではないかと不安だ」と冷静に応じている。それというのも、<「事故死として処理したため司法解剖は行われず、遺体は火葬されてしまった。いまさら検死のしようもありません。しかも、鑑識すらまともに行っていなかったふしがある」(社会部記者)>そうだから、殺人として事件化できなければ警察のメンツに関わるというが、難しい捜査になるはずだ。

   このケース以外でも、この施設でひどいことが発覚している。6月にAの同僚たちによる85歳の女性入居者への虐待である。被害者の家族が母親の顔に血がついていたので施設長に抗議をしたが、反対に「お前らはうるさい」と怒鳴られてしまった。

   そこで母親の部屋に密かにカメラを設置した。4人の職員たちが母親に「死ね」と暴言を吐き、首を絞め頭を叩いているシーンを撮ることができた。それを証拠にして川崎市に訴え、4人は自宅謹慎のあと解雇されているが、刑事罰にはならないようである。

   こんな施設でも入居者には人気だったという。なぜなら、入居金はなしで月額利用料が全国平均の24万円より安い22万円だから、入居者が殺到した。だが、<「食事はひどいし、事故は多発するなど、業界では『フダ付き』のブラック老人ホームです」(介護コンサルタント)>。こんな施設が他にもまだまだあるはずだ。終の棲家がこんなのでは嫌だが、そうでない老人ホームは高いだろうし...。

日本めざすシリア難民数百人!そのとき試される安倍首相の国際貢献度

   いま世界的に問題になっているのがシリアから逃れてくる難民問題である。この問題がクローズアップされたのは、シリア難民の3歳のアイラン・クルディくんの遺体がトルコの海岸に打ち上げられた写真がネットに上げられ、瞬く間に世界中に難民たちの悲惨な実態が知られたことからだった。アイランくんの一家はトルコに入国し、叔母のいるカナダへ移民申請をしたのだが拒否されてしまった。そのため仕方なく全長4・5メートルの小さな舟でギリシャを目指したが、高波を受けて転覆してしまったのだ。

   この問題を日本の週刊誌はほとんど取り扱わないが、『週刊現代』で大橋巨泉氏が書いている。カナダは10月に総選挙を控えているが、なぜ移民を受け入れないのかが争点になり、「カナダはもっとシリアへの軍事介入を強めるべきだ」と主張するハーバー現首相の立場は苦しくなっているという。

   だが、シリアを含めた中東・アフリカを逃れ欧州に流入する難民や不法移民は今年に入ってだけでも36万人以上といわれる。ドイツのメルケル首相は難民受け入れに寛容だが、ハンガリーなどは徒歩で入国できるほぼ唯一の通りをフェンスで閉鎖するなど、EUの中で難民の対応をめぐって不協和音が出ている。また、「確実なのは、ドイツをはじめ西欧諸国に、移民や外国人を排斥する極右勢力が力を増す」と巨泉氏は予測し、EUの壮大な試みは失敗に近づいていると悲観的だ。

   ドイツへ越境しようとしているシリア難民の多くはクルド人だが、週刊文春によれば埼玉県のJR蕨駅周辺にクルド人が2000人近く住んでいる「ワラビスタン」と呼ばれる地域があるという。トルコ政府との対立を避けて90年代前半に渡航してきて、5年ぐらいで倍増したが、<「ほとんどが日本で難民申請を認められず、就労可能な『特定活動ビザ』や、数ヵ月毎に更新が必要な『仮放免』で不法就労をしながら滞在しています」(日本人支援者)>。日本に来れば何とかなるという情報が流れ、数百人のシリア難民が日本を目指しているともいわれるそうだ。

   ちなみに、平成26年度で日本に難民申請した人は5000人。認めたのはわずかに11人である。国際貢献を謳うのなら、難民受け入れの枠をもっと広げるべきであろう。

「週刊ポスト」元少年A実名公表に説得力!「少年法の保護対象から自ら外れた」

   『週刊ポスト』が「少年Aの実名と顔写真を公開する」とタイトルを打って、写真とAの実名を出し、論議を呼んでいる。写真は他の週刊誌にも出ているかなり古いものだが、実名を出したのは週刊ポストが初めてである。

   掲載理由について、<男性は現在起こっている重大な社会的関心事の当事者。氏名を含めたあらゆる言動は公衆の正当な関心の対象である>とし、紀藤正樹弁護士にこう語らせている。<「元少年Aはすでに成人です。しかも、彼は自分の犯行を本にして出版しており、少年法61条に定められている『罪を推知する情報』を自ら公開している。だが、匿名のままではAが発信する情報に正確性や透明性は担保されず、国民は検証も論評もできない。それはおかしな話です。今回のケースは少年法61条の想定外であり、保護対象に入らないと考えます」>

   私も実名公表は許される範囲だとは考えるが、身勝手な自己愛に凝り固まっている少年Aが、自分の名前が出されたことを逆恨みして、世の中に復讐してやろうと考えるのではないか。この男は自分の性欲のために殺人を犯したのだ。自分の快楽を満たすために、また同じようなことをしないとも限らない。実名を出せばAを周囲が監視できるから、再犯を防げると週刊ポスト編集長は考えてのことだろうか、聞いてみたい。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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