電力王あっぱれとは言えぬ60年後の日本!行き着いた先は東京電力「原発事故」の体たらく・・・後編どう描くか
<経世済民の男、鬼と呼ばれた男~松永安左ェ門>(NHK総合)

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   前2作(高橋是清、小林一三)に比べて脚本が池端俊策だけに面白いが、主人公が一般人にとってはなじみが薄い電力関係の財界人、どうしても地味である。だから、もってきたのは顔が濃い吉田鋼太郎だ。隠居していた74歳の松永安左ェ門(吉田鋼太郎)に吉田茂首相から命が下り、電気事業再編成審議会の委員長に任命される。
   彼は安定した電力供給には電力会社の分割民営化が必要と考えるが、猛烈な反対にあう。また、当時日本を統治していたGHQまで説得しに押しかけ、通産大臣だった池田勇人(高島政伸)には自説を力説して賛同を得る。要するに、「自分の金を儲けようとは思わない。国に儲けさせたい」という松永の心根が通じるのだ。
   戦前から戦後の混乱期にかけての豪快な経済人の足跡をたどるわけだが、後の高度経済成長期の基になる電力会社に関わる人物のサクセスストーリーと言えなくもない。ところが、21世紀の現在から見ている我々からすると、国の経済の根幹を担っていた東京電力他の、いわば国策会社が、原発で大事故を起こしてあの体たらく。60年以上昔の成功物語に暗い影を落とすし、後編をどう描くのか一抹の懸念がある。ノー天気に「松永あっぱれ」と描くと多分シラケるだろう。難しい。50代の吉田鋼太郎がフケのメーキャップで70代を見事に再現し妻になる伊藤蘭も素敵だ。他の財界人たちは吉田茂の伊東四朗がピンとこない。三鬼隆になる國村隼が本人と似てる。(放送2015年9月19日21時~)

(黄蘭)

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