2018年 7月 18日 (水)

<デザイナーベイビー>(NHK)
黒木メイサよくぞ起用!出産間近の刑事役ぴたり・・・妊婦経験役立てリアリティ

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   女優が妊娠・出産を経て仕事に復帰すると、よく言われるのが「母親になってさらに演技の幅が広がった、深みが増した」という言葉だ。このご時世、子供を産んで復職し、それまで以上に活躍している女性は、女優であろうがなかろうが当たり前のように大勢いるし、それをいちいち出産、育児が云々と言う必要もない。

   しかし、このドラマの黒木メイサほど妊娠・出産が直接役に立った仕事はないのではないか。なぜなら、黒木の役どころはあと1週間で産休に入る妊娠8カ月の刑事で、キャッチフレーズは「頭は切れるが、体は重い」だからだ。

重い腹抱えて現場捜査・・・座るたびに「どっこいしょ」

   不妊治療で有名な病院の新生児室から、一人の赤ちゃんが消えた。父親はノーベル賞候補の物理学者、母親は元陸上選手という有名人夫妻の子だ。身代金目的の誘拐と思われた事件に、警察も大人数を動員し、捜査を開始する。主人公の刑事・速水悠里(黒木メイサ)は、産休を前に庶務課に異動していたところ、捜査手腕を買われ、重い腹を抱えて現場に戻る。

   いつもの黒木メイサと違い、しゃべり方はのんびりゆっくり、いつも腰に手をあてていて、椅子に座るのにも「どっこいしょ」。座れば大きなお腹が邪魔をして、足は開き気味になってしまう。これは間違いなく妊婦を経験した人にしかできない、リアリティある演技だ。

   一方、頭は切れるということで、「赤ちゃんを連れ去った人は、赤ちゃんが欲しい人だ」と、お腹の赤ちゃんを失った犯人(安藤玉恵)に行きつき、読みがどんどん当たって、消えた赤ちゃんは無事に病院に戻ってきた。これで一件落着と見えたが、母親の近森優子(安達祐実)が戻ってきた赤ちゃんを見るなり「違う、この子じゃない!」と叫ぶ。なんと連れ去られた赤ちゃんは別人だったことが判明する、という展開は目が離せない。

「ドラマ10」に外れなし!「不妊治療」「遺伝子操作」デリケートなテーマ取り組み評価

   デザイナーベイビーとは、受精卵の段階で遺伝子操作を行なうことによって、親が望む外見や体力・知力などをもたせた子供の総称だそうだ。近森には上の子がいるのだが、青白い顔でニット帽をかぶっていることから、重篤な病気のようである。「上の子のために下の子を産んだ」という発言をしているので、このあたりに、タイトルと関わる展開が待っているのだろう。不妊治療が普及し、医療技術が飛躍的に進んだ現在、こういうデリケートな側面をもつテーマに取り組む意欲に期待したい。

   それにしても、この「ドラマ10」という火曜よる10時の枠は名作ぞろいだ。古くは「セカンドバージン」、その後も「下流の宴」「つるかめ助産院」「ガラスの家」「聖女」などなど。大好きだった「美女と男子」が夏とともに終わってしまい、虫の声がいつも以上にさみしく響いていたけれど、ドラマ10に外れなし、をまた実感してワクワクした秋の夜だった。(火曜よる10時~)

(カモノ・ハシ)

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