フォルクスワーゲンだけじゃない「クリーンディーゼル不正」排ガス検査合格は1車種だけ

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   先月(2015年9月)、アメリカ政府はフォルクスワーゲンのディーゼル車が不正なソフトウエアを使って排ガス検査を潜り抜け、実際に道路で走行すると規制基準の40倍もの窒素酸化物を排出していたと発表した。ディーゼルエンジンは燃費はいいのだが、黒いススや窒素酸化物などの排出が多く、大気汚染を引き起こすなどの課題があった。

   1990年代に入ってエンジンの改良や排ガス処理装置の進歩によって、環境に優しい「クリーンディーゼル」として復活し、欧州ではいまや新車の販売台数の半分を占めているタイプだ。

フランスの抜き打ち検査に「猶予期間欲しい」

   しかし、不正はフォルクスワーゲン1社にとどまらない可能性が出てきている。昨年、欧州のNPO「国際クリーン交通委員会」が、米国と欧州の室内検査をパスしたディーゼル車15車種を対象に路上の排気ガスを測定したところ、窒素酸化物の排出量が基準をクリアしたのはわずか1車種だった。14車種は平均して規制の4倍の窒素酸化物を排出していたという。

   さらにややこしいのは、「これらは違法行為とは言えず、むしろ検査基準に原因があるかもしれない」(排ガス調査会社のニック・モルデンCEO)と考えられていることだ。

   フランスは各メーカーのディーゼル車100台について、路上での『抜き打ち検査』の実施を決めた。これに対して、欧州の自動車メーカーで作る欧州自動車工業会は「猶予期間が欲しい」と泣きを入れている。事実上、不正を認めたも同然だ。

「世界の自動車市場」日本のハイブリット技術の独壇場か

   自動車業界を長年にわたり分析してきた自動車アナリストの中西孝樹さんが言う。「これほど乖離していたのはみなさん驚きだと思いますが、実は放置していたわけではなくて、これまでは実走行で計る技術が確立されてなかったのです。技術ができたのはここ数年。それで計ってみたら、大きな問題であると認識されてきたんです。その矢先にフォルクスワーゲンの不正が見つかったという形です」

   国谷裕子キャスター「ディーゼル車は非常に厳しい立場に立たされていますが、そうするとハイブリッドの技術で世界をリードしている日本のクルマは有利になるんでしょうか」

   中西氏「短期的に見れば追い風なんだろうと思います。ただ、自動車はいま100年に1度という大きな技術革新の時代を迎えています。エンジンの性能だけではなく、自動運転だとか通信技術、電化技術などで欧州メーカーはいろんな勝負をしてくると思います。決して日本の自動車メーカーが勝ち組になると油断してはいけません」

ビレッジマン

NHKクローズアップ現代(2015年10月19日放送「フォルクスワーゲンで何が・・・~『排ガス不正』の真相~」

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