「タイムトラベル」どの時代に行きたい?ギャラ取りっぱぐれたディレクターの現実的過ぎる話

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   2015年10月21日は映画「バック・トゥー・ザ・フューチャー Part2」で、タイムトラベルしてやって30年前からやってきた日だ。世界各地でさまざまなイベントがあり、映画で描かれた世界と現実とを比較するなど、多いに話題になった。誰もが1度は思う。もしタイムトラベルするならいつに行きたいか。

契約書を交わさなかったばっかりに・・・

   あるアート・ディレクターはこう言った。「私は仕事の契約書を作っておきたかった」。戻りたいのは、小さな代理店からある食品パッケージのデザインをしてくれないかと頼まれた日だと言う。急ぎの仕事で、2週間でデザインを依頼された。必死になって3パターンのデザインを考えプレゼンしたところ、なかなかクライアントがゴーサインを出さない。もう少しパターンを変えてくれないかと打診され、さらに追加デザインを急ピッチで制作した。

   やりがいのある仕事だったというが、彼女が最初に声をかけられた日に戻りたかったのには理由がある。追加デザインを提出し終え、しばらくした後にクライアントから再度デザイン変更の話とともに、ギャランティーの交渉がされた。提示された金額は信じられないほど安い。当然、彼女はこの申し出を断った。さらに驚きの発言がクライアントからあった。プロジェクト自体が消滅してしまったと。結局、彼女はデザイン料を一銭も手にすることはなかった。

   こんなことがあったので、彼女がタイムトラベルして契約書を結びたいのだという。筆者も最近プロデューサーから番組予算が削減されたため、ギャランティーを安くしたいと告げられたばかりだ。同じ作業なのに低額で受けるのは非常に辛い。これも、契約書があればこんなことにならないのに。

お金の話はいつもウヤムヤ・・・放送業界の悪しき慣習

   アート・ディレクターも放送業も、金額を先に提示されることはなく、後からお金の話がやってくる。仕事の作業中ならまだしも、納品した後に金額を言われたら受け入れざるを得ない。さらには、急ぎの仕事を頼まれ納品した後、請求先を尋ねたら、そんな仕事は発注していないと言われるケースもあるらしい。

   いずれにしてもフリーランスは肩身が狭い。なんとしてでも契約書の話をこちらからすべきなんだろうが、人間関係を考えると切り出しにくいと尻込みしてしまう。アート・ディレクションの世界もこんな状況だったとは驚きだ。

   どちらもブラックな世界で仕事しているものだねと傷をなめ合っていると、同席していたコピーライターはニヤニヤしながらこういった。タイムトラベルができるなら、「今ならマンションの杭を全部打ち直しにいくね」

モジョっこ

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