「パリ同時多発テロ」危うい三色旗(自由・平等・博愛)!国民に強まる「イスラムもう来るな」

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   これまでも「イスラム国」ISは世界中で蛮行を繰り返してきたが、パリ同時多発テロは次元が違うとテロ国際監視所のロラン・ジャカールさんは言う。「高度な連携を取りながら3つのチームが動いていました。しかも、爆薬をフランス国内で作っていたようです。その力があるほど大きな組織がフランスにできているということです」

   今回のテロをきっかけに、ヨーロッパ社会が変質するのではないかという懸念もある。実行犯の1人が難民に紛れて欧州に入ってきた疑いが指摘され、不安が広がっているからだ。

「女性を石打ちの刑にするような宗教なんだろ」

   事件後、テロ現場に追悼に訪れた市民の間でもこんな軋轢が起きていた。フランス人らしき白人男性がイスラム教徒の女性に、「イスラム教は女性を石打ちの刑にするような宗教なんだろ」と罵声を浴びせると、女性は「違う。あなたは間違っている。もううんざりよ。テロで亡くなったのは白人だけじゃないのよ。私たちイスラム教徒だって、テロで大切な人を失ったのよ」と激しく抗議した。

   フランスはこれまで「自由」「平等」「博愛」を掲げ、難民の受け入れに寛容な姿勢を示してきただけに、突きつけられた課題は深刻だ。パリで取材にあたっている長尾香里記者がこう報告する。

   「フランスは押し寄せる難民にどう対応するかという問題に直面しています。多くはシリアからの難民です。今回の事件をきっかけに、欧州の一部の国と同じように、難民をリスクと捉える動きが高まってもおかしくはありません。自由や寛容を国の理念として掲げてきたフランスが、社会の中で互いに監視する目や不信感を持たざるを得なくなるのか、国全体が大きな試練に直面しているのです」

難民受け入れ大幅修正か?同化政策の挫折

   国谷裕子キャスターがイスラム教やイスラム社会を専門に研究し、過激派の思想にも詳しい東京大学の池内恵准教授に聞いた。「フランスは500万人ともいわれるイスラム教徒を抱えています。その人たちに対してフランスは『同化政策』を取ってきましたが、今の悩み、ジレンマをどのように捉えていますか」

   池内教授「この事件は、これまでフランスが受け入れ能力を超えて行ってきた難民・移民政策を変えるきっかけにはなると思います。難民は別にテロリストということではありませんが、紛れ込んでくる危険を避けるという名目で、政策転換が正当化されるということはあり得るでしょう」

   国谷「フランスの世界観、つまり人権を重視する立場と、イスラム教とは相容れるのかという部分はいかがですか」

   池内教授「すべてのイスラム教徒がフランスに敵対的ということはないわけですが、イスラム教の根本的な教義の中には、フランスの人道主義・個人主義とは相容れない部分があるんです。これまでは、それはやがて同化されると思われていましたが、それができなくなったということを思い知らされた。それでショックを受けているというのが現実だと思います」

ビレッジマン

*NHKクローズアップ現代(2015年11月16日放送「緊急報告 パリ『同時テロ』の衝撃」)

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