貧しい東京暮しより豊かな地方へ!家族で移住する20~40代・・・収入減ったけど預金増えた

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   全国の自治体の半数にあたる896の市区町村が消滅の危機にあるという。一方で、都会から地方への移住者数が増えている。昨年1年間だけで1万人を超え、なかでも目立つのは20~40代の家族ぐるみの移住だ。

   NHKや明治大学などが共同で調べたところ、都会から地方へ移住する人はここにきて右肩上がりに増えていて、2009年には2822人だったのが14年は1万1735人になった。移住先で多いのは岡山(1737人)、鳥取(1246人)、長野(953人)、島根(873人)、岐阜(782人)だ。

家賃・食費は半分。地元IT企業に再就職

   今年4月(2015年)、東京から鳥取市に移住した若い夫婦は、夫(30)はIT企業のシステムエンジニア、妻(28)はアパレル企業にいずれも正社員として勤めていた。夫は「昇進して家を持って、車を買ってみたいなスタンダードな生き方」を目指していたが、それを捨てての移住だった。

   最大の心配は収入面だったが、夫は地元のIT企業に再就職し、妻も夫と同じ会社でパートで働いている。夫婦合わせた月収は東京で50万円だったのが、鳥取では30万円に大幅ダウンした。ところが案ずるより産むがやすし。いま日常生活にまったく支障はない。家賃は東京の半分ほどの駐車場付きで4万3000円。間取りは1Kだったのが2LDKになった。食費も安く新鮮な食材が手に入るため東京の半分の月3万円で済む。移住して8か月、意外なことに貯金が東京時代を上回り、11月は14万円の貯金ができた。

   夫は「オフィスの中は東京と同じ、やりがいも遜色ないです。オフィスの外は田舎の田園風景が広がる」と満足げだ。

   キャスターの国谷裕子「東京一極集中が強まっていたのですがねえ」

   地方移住に詳しい明治大農学部の小田切徳美教授は次のように話す。「たしかに、昨年(2014年)の東京圏の流入超過は11万人。一方、地方への移住は1万人強で少ないのですが、この5年間で4倍に増えているし、少し前までの移住は単身男性がほとんどだったのですが、最近は家族単位で、それに伴って女性の比率が増えています」

自治体「移住1%戦略」で積極的呼び込み

   人口900人の島根県邑南町出羽(いずは)地区の太田文雄自治会長は、「いま頑張っておかないと集落の消滅につながるので、すごい危機感がある」と相談を持ちかけたのは、「移住1%戦略」を提唱する島根県中間地域研究センターの藤山浩・研究統括官だった。移住1%戦略は毎年人口の1%の移住者を呼び込めば、人口減少を食い止めることができるという長期戦略で、出羽地区の人たちは「頑張る目標ができた」と喜ぶ。現在は都会に出て行った20~40代にUターンを呼び掛けている。

   小田切教授は「具体的な目標が設定されて取り組みやすい」と評価し、「あとは(国などが作る)総合ビジョンではなく、コミュニティー単位での将来ビジョンが必要です」と指摘している。地方移住の背景には、待機児童ゼロなど子育て環境が良好、自然が豊かで新鮮な食材が豊富、物価が安い、非正規雇用で東京での仕事に疲れたなどの理由もあるという。裏を返せば、東京がいかに住みにくい都会になったかが浮かび上がってくる。

モンブラン

*NHKクローズアップ現代(2015年12月9日放送「『移住1%戦略』は地方を救えるか」)

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