これぞNHKの真骨頂!実は支持者少なくなかった「ヒトラー」リンドバーグ、フォード、ココ・シャネル・・・
<新・映像の世紀 第3集 時代は独裁者を求めた>(NHK総合)

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   こういう番組はNHKにしか作れない。たかが、アーカイブス映像と言うなかれ。第1次大戦に敗れ、多額の賠償金と世界恐慌、恐ろしいほどのインフレで資本主義に幻滅したドイツ国民は強いリーダーを求めた。ランツベルク刑務所にいたヒトラーが「わが闘争」を書き、反ユダヤ主義、反共産主義を標榜、刑期を終えたヒトラーはファシズムがドイツを救うと訴えてたちまち頭角を現した。
   出だしのプライベートフィルムは、23歳年下でヒトラーと共に地下壕で自殺した愛人、エバ・ブラウンも映った穏やかな映像である。あの、狂気の独裁者にもこんな顔があったのかと驚く。加えて、ヒトラーへの協力者が次々に出てくる。「翼よ、あれがパリの灯だ」のリンドバーグ飛行士、自動車王のフォード、フランスの香水ファッション女王のココ・シャネル。教科書では絶対に習わなかった。
   1933年にヒトラー政権が出来て、その後、「全権委任法」が成立して民主主義の死に繋がったとナレーションが語る。1935年の「ニュルンベルグ法」以降ユダヤ人に対する迫害がエスカレートする。筆者がこれまでに見たことがなかった映像は、パリがナチスに占領されて、早朝5時にヒトラーが街を眺めるシーンである。市民が仕事に出かけるために溢れ出す以前に見たかったらしいが、ヒトラーといえども天下の花の都・パリには多少の気後れがあったのかとおかしかった。虐殺と破壊を残した独裁者の価値ある映像史である。(放送2015年12月20日21時~)

(黄蘭)

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