2024年 3月 29日 (金)

パックリ口を開けてる石油安地獄!産油国「財政赤字」、米国「シェール倒産ラッシュ」、日本「金融不安」・・・

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   原油先物価格はこの1年半に7割も下落した。「原油安自体は輸入に頼っている日本にはプラスですが、原油輸出に頼っている国に深刻な影響を与え、世界の金融市場を不安定化するリスクが懸念されています」と国谷裕子キャスターが伝える。

金融緩和バブル破裂

   大幅な価格低下の原因は金融緩和で投機マネーが逃げ出したからだ。世界のエネルギー・金融に詳しい藤和彦・世界平和研究所主任研究員はこう解説する。「リーマンショック後の金融緩和で、非常に大量の安いお金がマーケットに流れこみ、投資家は株や債券だけでは使い切れずに、原油先物市場にも目を付けました。そこで一気に市場規模が膨らんだのですが、2014年の半ばあたりにFRB(米国連邦準備制度)が量的緩和を終了し、安いお金が入ってこなくなるという見方が強まって、一気に市場からお金が抜け出してしまったんです。それによって、油価が7割も下がるという現象が起きたと思います」

   また産油国が協調して減産体制を取れないでいることも価格低迷の要因だという。「本来なら、協調して減産すればメリットがあるのですが、自分が減産すると周りの国が得をするのではないかという恐怖心があるんです」「あすはさらに下がるかもしれないと思えば、あすの100よりもきょうの50とばかり、少しでも収入を得たいという心理が広がっているのです」(藤研究員)

   輸出の9割以上を原油に頼ってきたベネズエラでは、インフレやモノ不足が発生。世界第3位の産油国で、国家歳入の半分近くを石油などのエネルギーに依存するロシアでは8000億円規模の歳出削減を打ち出した。サウジアラビアは2016年は10兆円の財政赤字になる見通しで、水道代や電気料金の値上げや増税を行った。

   世界中に投資されていた巨額のオイルマネーも引き上げられているようだ。イギリス・ロンドンでは1億6000万円以上する住宅が次々と売りに出されるなど、高級不動産の価格が下落している。英調査会社「キャピタルエコノミクス」は「彼らはいま資産の売却を行っています。原油安によって、投資が大幅に削減され、かなりの悪影響が出ている」と話す。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中