日本海バックに田村正和「コロンボ風犯人追い詰め」大成功!残念だった広末涼子の悪女ぶり不足
<松本清張スペシャルドラマ 地方紙を買う女」(テレビ朝日系)

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   過去に何度も映像化された松本清張の短編小説である。今回は心中場所を流行りの石川県に持って行った。関野鼻という美しく不気味な海岸が舞台である。脚本が竹山洋なので、ひとひねりしてある。いわゆる謎解きではなく、コロンボ式とでも言おうか、限りなく見ている方には最初から犯人が分かっていて、それを主人公の小説家・杉本隆治(田村正和)が解いてゆく風に描いた。
   金沢日日新聞に小説を連載していた杉本が、東京の潮田芳子(広末涼子)という女から社に、小説が面白いので購読したい、送ってくれと手紙が来る。ところが程なくして今度はつまらないからやめるとの葉書。作家は小説が問題ではなく、他に何かの事件の報道を知りたかったのではないかと推理する。関野鼻で男女が青酸カリを飲んで心中した事件がソレだと目星を付ける。
   予想通りの結末で、最初はワルに見えた芳子が実は義母の介護と、見送った後でどうしようもない男に付きまとわれて、自分を強請った女と共に殺すのであるが、後半は妙に芳子の背景に同情的に書いてあったので、やや、がっくりきた。広末のキャラから言えば、初めの方の多少陰のある悪女風のままに描いた方が面白かったのではないか。清張が描いた時代の女の見方にどこかで縛られていたともいえるのだ。田村正和を日本海に連れて行きたかったというチーフPの願望は、彼の翳のある演技でもって完璧に達成されていたが。(放送2016年3月12日21時~)

(黄蘭)

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