2024年 4月 24日 (水)

「ショーン川上」有名になり過ぎてバレたウソ経歴とハッタリ話術・・・一夜にしてひっくり返った順風人生

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   週刊誌とは怖いものである。一夜にして順風満帆だった人間の人生を根こそぎひっくり返してしまうのだ。ショーン・マクアードル川上氏(47)は2010年から、フジテレビ系の朝の情報番組「とくダネ!」のコメンテーターとして登場した。私は朝ご飯を食べながらこの番組を見るので、彼のことは知っているが、話の内容はともかく、ジェームズ・ボンドばりのいい男である。

   ラジオで多くの経営者たちと対談している経営コンサルタントという触れ込みだった。何のテーマでも司会の小倉智昭から振られれば、淀みなくとうとうと自説を述べる姿はテレビ向きだなと思っていた。

   昨年(2015年)4月からは、古舘伊知郎の「報道ステーション」で木曜日(のちに水曜日)のコメンテーターにもなってさらに存在感を増していった。低迷するフジテレビが『社運』を賭けた4月からの平日深夜の大型報道情報番組「ユアタイム~あなたの時間~」のメインキャスターとして彼を起用すると発表したため、一躍、時の人になったのである。

   ある人物のことを思い出した。彼が朝日新聞の「AERA」編集部にいた時、朝日らしからぬおもしろい人物だったので、何度か酒を飲んだりして親しく付き合っていた。あるとき、彼から「今度、久米宏の『ニュースステーション』のコメンテーターになるんだ」と聞かされた。彼のキャラクターはテレビ向きだったので、すぐに人気者になった。だが、なまじ有名になったことで、週刊誌の格好のターゲットになってしまった。今回と同じように、週刊文春が彼と長年付き合ってきた愛人の「衝撃の告白」を掲載したのだ。彼は番組を降りた。朝日新聞は辞めなかったが、辛い日々を送ることになった。

   パンツを盗んだ過去、同性愛、育児休暇をとるとぶち上げたが不倫がバレて辞職した人間も、代議士になっていなければ週刊誌が追いかけることはなかっただろう。

   川上氏もワイドショーのコメンテーターで収まっていれば、経歴詐称をこれほど問題にされることはなかったはずだ。だが、あまりにも詐称の内容がひどすぎる。「テンプル大学、パリ第一大学で学んだあと、ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得」としていたが、週刊文春が調べると、ハーバード・ビジネス・スクールの同窓会名簿に川上氏の名前はなかった。本人によると、テンプル大学ジャパンは東京・下落合にある大学だが、10か月もいなかったという。パリ第一大学も付き合っている女性がフランス人だったので学ぶならヨーロッパだと思ったが、大学のオープンキャンパスで聴講しただけだそうだ。

   ハーバードへは勤めている会社から行かせてもらったが、受けたのはたったの3日間コースだった。またホームページにある米国本社はあのトランプビルの28階になっているが、ここは月69ドルから借りられるレンタルオフィス。日本の本社と記載されているのも渋谷のセルリアンタワーの中にあるレンタルオフィス。恵比寿にある支店も、週刊文春が行ってみると競馬予想会社や闇金が入居する雑居ビルだそうだ。公式サイト内にある「マネジングパートナー」は3人ともまったく別人の写真が掲載されているというのである。

   週刊文春は川上氏の故郷・熊本市まで飛んで、高校の同級生に取材をしている。そこではショーン・マクアードル川上と当時の川上氏が同一人物だと気がついている同級生は一人もいなかった。なぜなら、当時とは別人のような顔に変わっていたからである。

   川上氏は週刊文春の指摘に対して、何度も「それはダメだと思います」と繰り返している。ダメというのは、全面的にウソを認めて、いい訳ができないということだ。ウソで固めた経歴と度胸と話術でのし上がり、『新時代のキャスター』に成り上がる寸前で、砂上の楼閣は脆くも崩れ去ってしまった。今ごろ彼は、テレビに出て有名になんかなるんじゃなかったと後悔していることだろう。

安倍チルドレン石﨑徹代議士「熱心過ぎる性事活動」セクハラ、二股交際当り前

   もう一人、後悔しているであろう政治家がいる。週刊新潮が報じている安倍チルドレンの一人、石﨑徹代議士(32)である。新潟市出身で、慶應大学を卒業して財務省に入省。その後、自民党の候補者募集に応募して合格。総選挙に新潟市から出馬して最年少当選を果たしている。現在2期目だ。

   学生時代に付き合っていた女性と結婚したが、政治家に転身すると話したら、「そんな話聞いてない」と離婚を切り出され別れたという。バツイチ、独身、なかなかのイケメンとなれば、出てくるスキャンダルは「セクハラと二股交際」と決まっている。

   まずはセクハラから。後援会の会長である渡辺毅氏が語っているのだ。<「石﨑君が、地元秘書を公募し、14年の4月、30代前半の女性が運転手兼秘書として採用されました。ところが、そのわずか1ヵ月後、別の秘書から、その女性が石﨑君に言い寄られ、それを苦に事務所を辞めることになったと報告があった」>

   渡辺氏は秘書にその女性から聞き取り調査をさせた。その生々しい描写のいくつかが週刊新潮に掲載されている。

   <4月12日(土)。場所は「かくれがDining 忍」

   「D(代議士のこと=筆者注)が『近くに来て』と言い、対面式に着席していたが隣席状態となる。

   23時頃~接吻を迫り、衣服の上から胸、陰部を触る。徐徐に衣服の下に手が伸び、状況がエスタレートし始め、『どこかに泊まろう』と誘う。

   23時半過ぎ~Dが『ここでしようか(性交渉)』と言い、拒否すると『じゃあホテルに行こう』と誘う」>

   ようやく振り切って別々に店を出たそうだ。こんな人間でもいうことはでかく、将来は総理大臣になると公言しているという。

   秘書にセクハラをしていた同時期に、地元テレビ局BSN新潟放送に勤務する女性記者と同棲していたというから、女性にはまめのようだ。彼女とは結婚することを前提に付き合っていたそうだが、同じ時期に自民党の先輩議員の女性秘書とも付き合っていたというのである。文部科学省の前副大臣の丹羽秀樹代議士の秘書だが、丹羽代議士が件の秘書と話し合ったところ、付き合っていることを認め、周囲には石﨑氏と結婚するつもりだといっていたという。

   石﨑代議士は週刊新潮の取材に対して、「セクハラした事実も、二股交際の事実も一切ありません」と答えているが、後援会長がしゃべっているのだから、苦しいいい訳である。

   週刊新潮は<政治家というよりは、性事家と呼ぶに相応しい>と結んでいるが、この御仁も進む道を間違ったようである。

「原発差し止め」決定逆転に最高裁の画策!意に沿う超エリート裁判官送り込み

   週刊現代の「トラブル続発の高浜原発『止めようとした裁判官』『動かそうとした裁判官』名前と顔を公開する」は時宜を得た企画である。原発再稼働を止める判断を下した大津地裁の山本善彦裁判長(61)の顔写真を載せているのは当然であるが、14年に大飯原発、15年に高浜原発の再稼働差し止めを決めた福井地裁(当時)の樋口英明裁判長(63歳)の判断を覆した、林潤裁判長(46歳)、山口敦士裁判官(39歳)、中村修輔裁判官(37歳)3人の顔写真も掲載している。

   この3人は法曹界でも超エリートといわれ、樋口氏と入れ替わりに福井地裁へ着任した。週刊現代によれば、このようなエリートたちが福井地裁に集まるのは異例だという。元裁判官の現役弁護士がこう語る。<「本来、福井地裁は名古屋高裁管内でも比較的ヒマな裁判所で、アブラの乗った裁判官が来るところではない。しかも、この3人は東京や大阪など、他の高裁管内からの異動で、この人事には、各裁判所の人事権を握る最高裁の意向が反映されていると見るべきです」>

   裁判官3人の経歴には共通点があるそうだ。全国の裁判所と裁判官の管理、運営、人事までを仕切る最高裁判所事務総局での勤務経験があることだ。<「最高裁事務総局といえば、ゆくゆくは最高裁判事や、全国の裁判官と裁判所職員を含めた人々のトップとなる最高裁長官を狙えるようなエリートが集まるところ。彼ら3名は、全国の裁判官の中でも選り抜きの、いわば『将来を約束された』人々だと言えるでしょう」(明治大学政治経済学部教授の西川伸一氏)>

   3人は高浜原発再稼働を容認するために送り込まれ、すぐに関電側の申し立ての審理にとりかかり、<「審理の結果、原発の安全性について具体的に検討することなく、『危険性が社会通念上無視しうる程度にまで管理されている』から高浜は安全だと言ってしまった」(河合弘之弁護士)>

   一方、原発再稼働の差し止め判決を出した樋口氏は、名古屋家庭裁判所に飛ばされてしまった。樋口さん同様、山本裁判長が飛ばされて、中央から再稼働推進派の判事を送り込まれ、決定を再度ひっくり返される恐れは十分にある。司法の人間の多くは権力のポチだということを忘れてはいけない。

TBS小林悠アナ退社理由「適応障害」公表渋った上層部!健康管理の責任問われる

   週刊誌は独自ネタで毎号いければいいが、そうはいかない。そういうときは、他人の褌で相撲を取ることもあるが、今週の週刊文春はそれを見事にやってのけた。TBSの小林悠アナ(30)とIT起業家との『密会』は週刊ポストがスクープした。彼女はあれほど望んでいた「NEWS23」のキャスターを降板しただけでなく、TBSまで退社してしまったが、その理由がよくわからない。

   今週の週刊ポストは、噂された男性に妻がいるので、それに悩んで辞めたのではないかという噂を取材しているが、起業家氏には9年間連れ添っていた妻がいたが、昨年末に離婚が成立している。小林アナと知り合ったのはそれ以降だという証言を得ていると週刊ポストは報じている。

   週刊ポストが元夫人宅を訪ねると、彼女の父親が取材に応じた。起業家氏との離婚はいつだったのかという問いに、「昨年の11月ぐらいだったかな」と答えている。「離婚の原因をご存知でしょうか」には、「娘は何も言わない」。小林アナとの関係が影響しているかという質問には、「(時期は)かぶってないと思う」と話している。ということは、交際、結婚には障害がないということになるが、そうするとなぜ電撃退社したのだろう。

   その疑問を週刊文春は本人の告白という形で見事に解いてみせたのである。「もし話すのだったら文春で」と思わせるオーラが今の週刊文春にはある。小林元アナがしゃべる気になったのは、「あまりにも事実とかけ離れた報道が溢れた」からだそうだ。まずは交際相手について、二股とか既婚者と書かれたが、彼からいつ離婚したかの証明書を見せてもらっているし、報道番組を始めるにあたって懸念すべき点などなかったと話す。

   週刊ポストやスポーツニッポンに書かれた内容には、TBS局内の限られた人間にしか伝えていなかった情報があったことも、彼女の不信感を増大させたという。だが、最大の理由はこうだと話す。<「実は、一年くらい前から、抑うつ気分、不安感や焦燥感が募り、食欲不振で眠れない日々が続くようになっていました。(中略)

   当時の私は、とっくに心身ともに臨界点を超えていました。でも、自分が疲弊しているとか、周囲には言えなかった。そういう素振りを見せることも失礼ではないかと思っていました」>

   そして「NEWS23」のキャスターという大きなチャンスが回ってくる。そこに週刊ポストの報道が出たことによって、時限爆弾のように抱えていたものが表に出てきたという。彼女の異変に気がついたのは付き合っている彼だった。<「彼のすすめで二月十日に心療内科に行ったところ、『適応障害』と診断されました。そこで初めて自分が病気だと気付かされました」>

   彼女は退社を決意し、上司に意向を告げる。その後、TBSの人事部長やアナウンス部長と面談し、こういった。<「内臓の病気とか、深刻な病気だと誤解をされるとかえって心配をかけるので、適応障害という病名を公表してもらっても構いません」>

   しかし、TBSは「健康上の理由」としか発表しなかった。<「適応障害が理由になると、『彼女の健康面をどう管理していたんだ』という批判は免れません」(TBS局員)>

   そのために、交際相手に問題があるのではないかとスポーツ紙にリークすることで問題をすり替えたのだという。組織とはそういうものである。彼女は辞めてよかった。私も週刊現代の編集長になったばかりのとき、同じような症状になったことがある。当時は適応障害などという病名は知らなかった。知り合いの医者から精神安定剤を山ほどもらって飲んでいるうちに、何とか仕事をこなせるようにはなったが、あの数か月は思い出しても辛い。

   この病気は雅子妃のように、人前に出て行くことが辛いのだ。テレビの現場に戻ることはやめて、結婚でもしてゆっくり過ごすことだ。先の川上氏ではないが、有名になることで人生が狂ってしまうこともあるのだから。


元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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