見せどころは美人・北川景子「清張もの」初主演だけ!?古い古い原作に囚われチグハグ脚本興醒め
<松本清張ドラマスペシャル 黒い樹海」(テレビ朝日系)

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   テレビだけでも3回目のドラマ化である。ミソは美人で新婚ホヤホヤの北川景子の主演。新聞記者だった姉・笠原信子(小池栄子)の死の真相を探る天涯孤独の就活中の笠原祥子を演じる。東北旅行と言って出た信子が、長野県のバス事故で亡くなり、その死が受け入れられない祥子は、新聞記者の吉井(向井理)の協力を得て調べる途中で次々に関係者が死んでゆく、心の樹海に迷い込む話だ。
   筆者は脚本の杜撰さが全く気に入らない。1つはパーティ会場で咄嗟に祥子は信子の妹と悟られないために「花井」と名乗るのだが、その後交換手までが「花井さんに電話」と取り次ぐ。おかしいではないか。笠原信子の妹とわかっていて採用された会社に「花井」のままで勤めるとでも許可を取ったのか。伏線が全く描かれていない。
   もう1つは脚本家(寺田敏雄)が地方人か。殺される山梨の女が上京して、着く駅が夜の東京駅とは!あり得ない。山梨からでは、どんな方向音痴でも中央線に乗って新宿着を選ぶはず。ここでも古い古い清張時代の原作に囚われていて、携帯やメールなどのツールは現代にしたが、東京駅はそのまま使ったというドジであろう。
   テレビドラマの制作者たちは、編集の段階でディテールに誤謬や矛盾点がないか検証しないのか。これではいくら「北川景子、清張作品初出演」と宣伝しても、ザルから水が漏れている状態で興醒めである。東京駅着にする必然性が全くないことに気が付くべきだ。(放送2016年3月13日21時~)

(黄蘭)

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