寺島しのぶ「福田和子」逃亡殺人犯の寂寥とすさみ見事に体現!自転車で逃げるシーン秀逸
<実録ドラマスペシャル 福田和子~整形逃亡15年」(テレビ朝日系)

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   福田和子と言えば、まだ殺人事件の時効が15年だった1982年に起きた四国松山のホステス殺人事件の逃亡犯人として、筆者には生々しい記憶がある。テレビで犯人公開捜査番組があり、福田和子が息子にかけた電話、「(長話をしたら)危ない危ない」としゃべる四国訛りの録音をはっきり覚えている。この福田和子の実録だ。
   和子(寺島しのぶ)は美人の同僚ホステス(木村佳乃)を殺して金品を奪う。その逃亡の足跡を現在の新人編集者・如月(松岡茉優)が辿る。筆者が当時から解せなかったのは、和子が顔は整形しても、髪型は手配写真とそっくりで、金沢の菓子屋に住み込んで気に入られ、主の妻にまで望まれたのに、どこかに間が抜けたところがあって捕まりそうになる。用意周到さとドジなところとが同居した不思議なキャラだった。バッグも持たず自転車で逃げる場面は秀逸だ。
   女将や常連客と仲良くなったある居酒屋で、コップの指紋を取られ、時効までわずか20数日で逮捕されるのであるが、その居酒屋の女将になるキムラ緑子が素晴らしい。和子(勿論別の偽名)の明るい性格を気に入っていたが、手配写真の犯人に似ている疑いが抑えがたく、結局はガラスコップの指紋採取に協力する。刑事たちに連れていかれる和子を、何とも言えない憐れみと悲しさの入り混じった表情で見送る。最大の功労者は寺島しのぶの名演技である。15年も追われ追われる殺人犯のすさみと寂寥感を見事に体現した。(放送2016年3月17日19時~)

(黄蘭)

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