<暗殺教室~卒業編~>
二宮和也「殺せんせー」3年E組の生徒たちは暗殺できるか?慕っているのに・・・辛い選択

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(C)2016フジテレビジョン 集英社 ジェイ・ストーム 東宝 ROBOT (C)松井優征/集英社
(C)2016フジテレビジョン 集英社 ジェイ・ストーム 東宝 ROBOT (C)松井優征/集英社

   伸縮自在の超生物「殺せんせー」とエリート学園の落ちこぼれ中学生が、衝突しながら心を通わせるまでを描いた前作の完結編である。小中学生をターゲットにした映画だから、登場人物の考え方が一面的なのは仕方ない。そう割り切って見れば、「殺せんせー」のコミカルな魅力を保ったまま、前作で広げた風呂敷をきっちりたたんだあたりは、完結編として十分及第点だった。

「大好きだから、さよなら」

   前作から引き継いだ設定は大きく3つ。まず、3年E組の担任の「殺せんせー」は地球の破壊をもくろむ超生物で、年度終わりに地球を消滅させる予定である。次に、殺せんせーは国防軍でも倒せないが、3年E組の生徒だけが彼を暗殺する力を持つ。そして、殺せんせーはモンスターだが生徒の成長を見守り、生徒と信頼関係を築いている。つまり、この映画は「尊敬する恩師を自らの手で倒さなければいけないというジレンマにどう打ち勝つか」というお話なのだ。

   物語は、殺せんせーがどう誕生したか、どうして3年E組の生徒に自らの暗殺を依頼するに至ったのかを生徒たちが探るところから始まる。その過程で、カリスマ暗殺者だった「殺せんせー」は特殊な人体実験で超生物へと変貌し、突然変異を起こして地球を消滅させる大爆発を起こす可能性があることなど、着々と伏線が回収されていく。

   「大好きだから、さよなら」という苦しい選択をした生徒たちの葛藤、仲間同士の対立も描かれる。若手俳優たちのその演技は達者だ。ともすれば「ありえへん」がすぎる内容を、あくまで真剣にやりきることで、突飛な設定よりも生徒たちのジレンマに興味を引き込むことで、観客の「しらけ」を最低限に抑えきった。

許されないはずの「人殺し」軽く扱いすぎていないか

   なぜ描かなかったのかと疑問を感じる箇所も残った。二宮和也声を演じる「殺せんせー」は桐谷美鈴の研究員と恋に落ちるのだが、このときの桐谷の心情があまりに不自然なのだ。二宮の犯罪歴(殺人)を知りながら、まるで嫌悪することもなく恋に落ちていく。また、偶発的な事故で愛する桐谷を殺めたことに苦しむ二宮にしても、それまでに殺してきた無数の罪のない人々に対する呵責は一切ない。

   殺せんせーが職業暗殺者だったという過去を知った生徒たちも、「先生は人体実験に使われ、大事な女性を失った可哀想な人」としてしかとらえない。「いくら真人間に見えても、過去にこんな罪を犯した人」と憤る者も、「自分の将来を摘み取る怪人」として怯える者もいない。「人殺し」をテーマにしている以上、抜かしてほしくない視点が抜けているような違和感が残った。シリアスが過ぎると言われればそこまでだけれど、うーん、難しい。

ばんぶぅ

おススメ度☆☆☆

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