「貴族と庶民」口もきかなかった犬猿イタリア映画2大巨匠!作品に滲み出た育ちの違い ・・・出色ドキュメンタリーに唸った
<BS世界のドキュメンタリー ヴィスコンティVSフェリーニ>(NHK BS1)

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   唸る様に面白いドキュメンタリーである。イタリア映画黄金期の2大巨匠のルキノ・ヴィスコンティとフェデリコ・フェリーニが10年にわたって犬猿の仲で、お互いが口もきかなかったという事実の真相である。ヴィスコンティは貴族の出で、現場では「伯爵」と呼ばれている洗練された上流階級紳士だが、バイ・セクシャルで有名だった。代表作はカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した「山猫」、傲慢な主人公を演じたのはハリウッドのバート・ランカスターだ。
   一方、フェリーニが白黒で撮った「道」は下賤なサーカスの人間模様で、彼の妻のジュリエッタ・マシーナが白痴の芸人になり哀惜の極みだった。ドキュメントタッチで旅から旅の世界を描いたが、フェリーニは中産階級出庶民であった。後に、フェリーニの超ヒット作、「甘い生活」を見たヴィスコンティは、「これは(毎日が酒と愛欲と遊びに溺れた)貴族社会を描いているといっても、実は使用人の目から見た貴族の生活だ」と酷評したという。つまり、両天才ではあるが、描くものに自然と「育ち」がでたということだろう。
   物凄いショットがある。左からヴィスコンティ、有名カメラマン、俳優のM・マストロヤンニ、右端が作曲家のニーノ・ロータである。綺羅星のごときスター映画人ばかり。この作品は2014年にパリで作られ、老婆になったC・カルディナ―レも証言している。2人はのちに和解したが、2人の共通点は映画を心底愛したことだそうな。(放送2016年5月18日0時~、再放送5月25日17時~)

(黄蘭)

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