前半はごちゃごちゃしていた上に、女優・長澤まさみ扮する「きり」が、まるで渋谷のガングロ娘のような喋り方をするのでうんざりし、見るのを止めようかと思っていた大河ドラマだが、秀吉中心の大阪編になってから少し見られるようになってきた。はっきり言って時代劇は男中心の切ったハッタ裏切ったが断然面白いのである。
秀吉の恭順挨拶に応じない北条氏政(高嶋政伸)を成敗するといい出した秀吉(小日向文世)は21万人の兵で北条を取り囲ませる。石田三成(山本耕史)の立てた作戦が思い通りに運ばず、いつも冷静沈着な三成が、後の敗軍の参謀になる兆しを見せる。一方、ご隠居様になっても実権を握っている氏政は、いつ攻め込まれるかもしれないので風呂にも入れず、異臭がする体で蹴鞠に興じる。
そもそも、ちょっとモノマニアックな役をやらせたらぴったりの高嶋政伸が、上目遣いに目がすわっていて、不気味な敗軍の将ぶりでなかなかいい。もう1人、秀吉役の小日向文世も、最初は「小日向がサル?」と思ったが、彼のニコニコ顔は表向きで、実は甥の一族まで皆殺しにする後の残忍さの翳を秘めていると思えば、なるほど、一層残酷に見えるかも、と思い直した。
他には、名古屋弁(?)か、北政所(鈴木京香)の方言丸出し言葉が彼女だけというのはちょっと違和感がある。寧はこんな美人じゃなかったはずだが。わがまま茶々(竹内結子)と信繁(堺雅人)はまあまあだ。2016年6月12日20時~
(黄蘭)
お知らせ
このエントリーはコメント・口コミ受付を終了しました。