2024年 4月 25日 (木)

老親呼び寄せ介護の難儀!慣れない土地でウツや引きこもり・・・首都圏は施設・サービス飽和状態

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   首都圏に住む40~50代の4割は地方出身者と言われる。故郷の親の介護が必要になると、以前は子供が故郷に帰ったり、通ったりして支えた。いま増えているのは、親に子供の暮らす都会に来てもらう「呼び寄せ」介護だ。国の統計をもとに「クローズアップ現代+」が集計したところ、去年(2015年)1年間に首都圏に転入した75歳以上の高齢者は2万人を超えていた。

   横浜で母親と「近居」している迫田益美さんも親を呼び寄せた。4年前までは50キロ離れた千葉の松戸に住む母親のもとを週に2回、往復4時間以上かけて通っていた。朝9時に出て帰宅するのは夜10時という生活を続けていたが、「いろんなことが寝る前に頭がぐるぐる回って、やっぱり『呼び寄せ』しかないと思いました」

   呼び寄せには思わぬ弊害があった。友達もいない知らない土地での生活に、母親は引きこもり気味になってしまったのだ。こうした移転先に溶け込めず、鬱や引きこもり、さらには認知症が進んでしまうケースなどが後を絶たないという。

一緒にうまく暮らすための4つの条件

   久保田祐佳キャスターがケアマネジャーとして多くの高齢者と家族を支援してきた東洋大の高野龍昭准教授に聞いた。「呼び寄せ自体が悪いわけではないんですよね」

   高野准教授「すべてが悪いわけではありません。実際、近くにいれば、親の具合が悪くなった時に、すぐに手を差し伸べられますし、対応ができるというメリットがあります。ただ、専門家として気になるのは、首都圏の後期高齢者は2025年から30年にかけて今の2倍ぐらいになります。そうなると、介護サービスが足りなくなるという危惧があります。そこへ、さらに地方から高齢者が入ってくると、ますます医療サービス、介護サービスが足りなくなる。ここをどうするかが課題になっています」

   とはいえ、子供の方にも「共働きの増加」「地方の就職難」などの事情があって、親の介護のために地方に帰ることは簡単でない。高野准教授は「呼び寄せ」介護のデメリットを減らす方法として4つのチェックポイントを提唱する。

   (1)来てから続けられること(趣味など)があるか。

   (2)住環境が似ているか。

   (3)子どもの住む場所によく来ているか。

   (4)親自身は来たいと思っているか。

   これらに当てはまればOKということだが、「一番大事なのは、呼び寄せられる親が子供の都合というよりも、自分自身で行かなきゃいけないんだなと思ってもらえるかどうかです。これを準備期間かけて相談することが大事だと思います」(高野准教授)

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