「次のターゲットは日本人」宣言していたバングラIS!親日国と油断していた在留邦人

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   ダッカで起きたテロでは、「穏健と見られていたバングラデシュでなぜ」「親日国のはずなのに?」という声が多い。しかし、現地の専門家によると、IS(イスラム国)はとっくに「次のターゲットは日本人」というシグナルを送っていたことが分かった。

   専門家が注目するのは昨年10月(2015年)に、農業関係のプロジェクトに携わっていた星邦男さんが殺害された事件だ。その直後、ISを名乗る組織は「イスラム国と敵対する有志連合の国の市民を標的にした。それは異教徒の日本人だ」というメッセージを発信した。

 

   バングラデシュ要人とも強いつながりを持つ国際的なテロ対策の専門家で、シンガポール・ナンヤン理工大学のローハン・グラトナ教授)はこう言う。「あの事件が、今回、日本人が大量に殺害されることになる事件へのシグナルだったのです。日本人はいまや有志連合の一員とみなされ、ISの殺害対象です。バングラディシュ政府は『国内でISは活動してない』と言いますが、残念ながら現実は違うと思います」

有志連合の異教徒と敵視

   「穏健なバングラデシュ」というイメージも現実とはかけ離れたものだった。ISは機関紙「BABIQ」で「ISを支持するのはバングラデシュのイスラム教徒の責任だ」とけしかけていた。

 

   にも関わらず、バングラデシュの日本人社会の間でこうした危機感は共有されていなかった。テロの犠牲となった下平瑠衣さんの友人で、ダッカで暮らしている20代の日本人女性は「クローズアップ現代+」の取材にこう答えている。「(バングラデシュ人は)非常に親日で、宗教に関しても非常に寛容です。私にとって第二の故郷のように思っている国ですので、非常に悲しいですね」

   齟齬はなぜ起こっているのか。一つはバングラデシュのテロ対策の失敗だ。世俗派の現政権はテロ対策という事でイスラム教重視の野党を『弾圧』してきた。その緊張状態について、国際紛争分析が専門のシンクタンクが4月に出した報告書で「政府の過激派対策は過激派を利する結果になっている」と警告を発していた。シェリアー・ファスリー研究員はこう言う。「政治的な緊張は政府の力を弱めます。これに過激派がつけこみ、テロを行うのは時間の問題でした」

外国企業・融資の撤退恐れて警告しなかったバングラ政府

 

   しかし、バングラデシュ政府はこの実態を認めようとしなかった。イスラム過激派の動向に詳しい日本エネルギー研究所の保坂修司・研究理事)はこう解説する。「バングラデシュ政府は『国内テロとISは関わりがない』というのですが、実際は2015年以降、ISの名のもとにテロが頻繁に起きていました。ただ、それを認めてしまうと、外国からの融資や投資が逃げ出してしまうという事を心配していたのだと思います」

 

   バングラディシュがいくら親日的でも、テロリストは親日的というわけではない。

ビレッジマン

NHKクローズアップ現代+(2016年7月4日放送「なぜ7人の日本人が~ダッカ・テロ事件の深層~」)
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