2024年 4月 25日 (木)

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「改憲勢力3分の2」に追い詰められる安倍首相!改正発議せっつかれて自爆

   参議院選報道で笑えたのは週刊新潮のモノクログラビアである。早々と当選を決めた沖縄出身の今井絵理子氏が池上彰氏の選挙特番で、「選挙中、沖縄のことに触れなかった」と聞かれ、12歳から東京に住んでいるので沖縄の現状はよく知らないと答え失笑を買った。

   その彼女の息子が「お母さんが当選しますように」と書いた絵馬を手渡したとき、「子どもが書いて下さった」といってまた失笑。週刊新潮はキャプションを「お母さんがもっと勉強しますように」とつけた。見事である。

   参院選を大勝して史上最強といえる政権を思うがままに操れることになった安倍首相だが、このまま憲法改正へと突き進んでいけるのだろうか。安倍首相は選挙直後に「次の国会から憲法調査会を動かす」と明言した。これまでは絵空事だった改憲に手が届くところまで来たのである。「おじいちゃん(岸信介)、ボクやったよ」と仏壇に手を合わせたかもしれない。

   だが、今回の参院選大勝は安倍政権の終わりの始まりだと私は思う。週刊ポストでジャーナリストの山口敬之はこう書いている。第二次安倍政権が、特定秘密保護法、原発再稼働、安全保障法制といった難しい課題を次々と突破できた原動力は、安倍が「サイレント・マジョリティ」と呼ぶ「非リベラル層」によるところが大きかったが、一口に改憲勢力といってもその内容から方法論に至るまで千差万別、百家争鳴である。

   <3分の2という遠かったはずの目標が目の前まで来た安倍にとって、憲法改正はもはや、リベラル護憲派との戦いではなくなりつつある。いわゆる『改憲勢力』内部の不統一にこそ、最も深刻なリスクが内在している。

   さらに、衆参両院で憲法改正の発議を勝ち得た先には、国民投票という最後の難関が控えている。安倍は消費税先送りと衆議院解散の是非を巡って麻生と対峙した5月30日、こう漏らしたという。

   「憲法改正はもちろん悲願だが、どう実現できるか、心が揺れないと言ったら嘘になる」 もし安倍が憲法改正に向けて逡巡したり、決断を先送りしたりすれば、今度は「非リベラル層」の中の「保守層」が黙っていない。

   安倍を強く支持してきたコア層の失望は、政権の求心力を大きく毀損するだろう>(山口氏)

   保守といってもさまざまである。いま話題の「日本会議」は<西洋の植民地主義から東アジアを開放した日本を称え、再軍備をし、生徒たちに愛国心を植え付け、天皇を敬え>(英国「エコノミスト」)というウルトラ保守派である。さらに憲法改正発議にまで何とか漕ぎ着けたとしても、国民投票になれば国論を二分することになる。そうなれば英国のEU離脱のように、投票後にさまざまな遺恨が残り、憲法改正どころか自分が総理の座から降りざるを得なくなるはずである。

   もちろん週刊新潮がいっているように「お試し改憲」という姑息な手を安倍が使ってくることも考えられる。<「国民的合意の得られていない9条改正はとても無理でしょうから、環境権や緊急事態条項を加えるといった、多くの人が反対しないであろう『つまみ食い改憲』から手を付けることになると思います」(政治アナリストの伊藤惇夫氏)>

   公明党は改憲には及び腰だが、加憲には賛成するといわれているから乗ってくる可能性はある。週刊新潮は最短は来年秋の臨時国会で憲法改正の発議をして、年末に国民投票と衆院を解散して信を問うという「奇策」に打って出るかもしれないと見る。

   しかし、安倍の悲願である9条改正には至らず、後継を指名して引退後に夢を果たすというシナリオがあるというのである。だが、田中角栄のような大派閥を率いているわけではない安倍が、引退後に院政を敷けるわけはない。中途半端な憲法改正は、先ほど触れた思惑がバラバラの保守層からも強い批判を浴びることであろう。

   どちらにしても、勝つ理由のほとんどない選挙で大勝してしまった安倍首相は、憲法改正というルビコン川を渡りきらないうちに沈没することになると、私はゆったりした気持ちでこれからの政局を眺めたいと思っている。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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