2024年 4月 25日 (木)

天皇陛下「お気持ち」ねじ曲げる安倍内閣と皇室記者!特別措置法で生前退位は今回限り・・・

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   NHKがスクープした天皇の生前退位報道が新聞協会賞を受賞した。受賞の理由に「皇室制度の歴史的転換点となり得るスクープ」とあるが、そうなるのかどうか、このところの報道を見ているとはなはだ心許ない。

   <天皇陛下のお気持ち表明を受けて、安倍政権は生前退位を一代限りの特別措置法で実現させる考えだ。政権の中枢には、皇室のあり方を定めた皇室典範に手をつければ、議論が複雑になりかねないとの懸念がある>(朝日新聞9月8日付より)

   象徴天皇制とはという根本に踏み込むことなく、早々に片付けてしまおうという心根が見え見えである。

   週刊新潮は天皇の「お言葉」に、皇室記者たちが「違憲」「暴走」ではないかと落胆していると報じている。<端的に言えば禁じ手、「やってはいけないことをなさってしまった」><もはや「国政に関する権能を有しない」と定めた憲法を踏み越えているのは明らかです><侍従たちに筋書きを作らせ、事前にメディアにリークして世論の反応を探り、その上で報じた通りのご発言をなさるというのは、多分に政治的だと言わざるを得ません>

   これでは「日本会議」とやらがいっていることと同じではないか。歴史社会学者の小熊英二も、朝日新聞(8月25日)でこういっていた。<国民の中には、政治への苛立(いらだ)ちから、天皇に政治的発言を期待する声もある。(中略)だがそうした人は、天皇が天皇として政治的発言をする前例を作れば、様々な方向での政治利用と混乱も招来しかねないことを知るべきだ>

   だが、「世界」(10月号)で憲法学者の長谷部恭男は、憲法が天皇は政治的権能を持たないというときに想定しているのは、<国事行為において「この大臣の任命には反対だ」とか「今の衆議院は解散するしかない」>といい出すことで、<憲法に反するとは思えません>と明確に否定している。

   また、現在の制度には不備がある。その状況を国民に考えてもらいたいという趣旨なので、<制度に不備があることは、天皇ご自身が言い出すしかないと思います>、<「まず憲法が出発点です」と天皇ご自身が言っていることをどれだけ踏まえているでしょうか。この間のいろいろな議論を追っていても、天皇のメッセージをきちんと理解していないのではないかという気がするほどです>として、<天皇制に関する憲法を踏まえた真っ当なメッセージが示されているのですから、それを素直に受け止めて、どうすればいいか、国民全体でよく考えていく>ことが必要だと語っている。

   国民の声を聞こうとせずに、特措法で収めてしまえという安倍政権の考え方こそ、天皇のメッセージを真摯に受け止めていない証左である。

週刊新潮「大新聞の書評欄批判」はたしてそうか?つまらない朝日新聞の批評でも使い方はある

   もう一つ週刊新潮に気になる記事がある。橘玲の「言ってはいけないー残酷すぎる真実ー」と百田尚樹の「カエルの楽園」はともに新潮社刊だが、このベストセラー2冊をほとんどの大新聞の書評で扱われていないのはおかしいと批判している。「イデオロギー的な好みはさておき、社会の関心事になっている本は取り上げるという矜持が(毎日新聞の書評欄には=筆者注)ありました」と、元毎日新聞学芸部の徳岡孝夫に語らせているが、そうだろうか。

   私は朝日新聞を取っているが、朝日の書評欄ぐらいつまらないものはないと思っている。誰が読むんだろうという本ばかりを取り上げて(なかには読者に媚びたようなベストセラーについての書評もあるにはあるが)書評しているのだが、これはこれで存在意義はあると思っている。なぜなら、私が絶対手に取ることがない本がこの世の中にあるということを知り、書評をざっと読めば、知らない世界を幾分知った気になれるからである。

   週刊誌の書評欄も役に立たないのは新聞同様である。私はまず書評で取り上げている本の出版社名を見る。週刊現代なら講談社、週刊文春なら文藝春秋、週刊ポストなら小学館。自社で出している本だったら書評は信用できないから読まない。

   週刊新潮にもあるように、昔は平野謙、丸谷才一、百目鬼恭三郎などの目利きが、大文豪が書こうがつまらないものはつまらないと批評した。今の書評氏たちはそんな気概もない人ばかりである。

   先の2人の本が新聞の書評に載らなくてもベストセラーになっているのは、新聞に往時の力はないからだ。だいいち、2人の本が朝日新聞に取り上げられ、べた褒めされたら気色悪いだろう。読みたい本を探すコツは自分が目利きになることである。

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