<後妻業の女>
大竹しのぶ怪演、トヨエツ小心の中年男うまい!「高齢婚活は資産があること。持病があればなおいい」

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   熟年離婚や妻に先立たれたひとり暮らしの男性高齢者が、「生涯の伴侶」を求めている。女はひとりでも逞しく生きていけるが、男は寂しいのだ。そんな世相を背景に、結婚相談所で相手を見つけ、資産を狙って詐欺を働くのが「後妻業」である。原作となった黒川博行の小説発表直後、老人を狙った連続殺人事件が京都で起こり、事件を予見していたと話題になった。

  • (C)2016「後妻業の女」製作委員会
    (C)2016「後妻業の女」製作委員会

哀れで可笑しい手玉に取られる津川雅彦

   ストーリーはテンポ良く始まる。やり手の結婚相談所所長・柏木亨(豊川悦司)は、「第一条件は資産があること。持病があればなおいい」とうそぶく。その結婚相談所のエース武内小夜子(大竹しのぶ)は、過去に7人の男と結婚を繰り返し、相手はみな謎の死を遂げている。柏木と小夜子は罵り合いながらも手を結ぶ。小夜子は本当は柏木に惚れているのだろう。ただ、それを表に出すことなく、あくまで「ビジネスパートナー」として接している。

   「熟年婚活パーティ」で小夜子は、「趣味は読書と夜空を見上げること。私、尽くすタイプやと思います」としおらしく自己紹介するかと思えば、いきなり激しくツイストを踊り出す。その奔放さに夢中になったのが78歳の資産家・中瀬耕造(津川雅彦)だった。 耕造が亡くなると小夜子は耕造の娘・朋美(尾野美千子)らに「遺言公正証書」を突きつけ、全財産の相続を主張する。不審を抱いた朋美は弁護士に相談し、探偵・本多(永瀬正敏)を雇って調査を始める。その探偵がとんだ曲者だった。そして、謎の不動産王・舟山(笑福亭鶴瓶)が小夜子の前に現れる。

芸達者の脇役を活かしきれてない不満

   大竹が「愛嬌ある悪女」を怪演。トヨエツも自信満々に振る舞うが、実は小心の中年男を見事に演じて大竹に伍している。そして、芸達者な脇役陣。ところが、後半になると失速して、登場人物がステレオタイプ化してくる。キャラクターをもう一捻りできなかったのか。「落ち」もいまひとつ納得しにくいのも惜しい。

   トヨエツと若い愛人のベッドシーン、大竹しのぶと尾野美千子の焼肉屋での取っ組み合いのシーンは余計だ。サービスショットとしか思えない。

佐竹大心

オススメ度☆☆☆

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