今年の広島カープは強かった!チーム下支えに徹したベテラン、実力付けた若手の一体感

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   きのう9日(2016年9月)の巨人・ヤクルト戦に巨人が勝ち、広島カープの25年ぶりのリーグ優勝はきょうからの巨人との直接対決に持ち越されたが、とにかく今年のカープは強かった。数字が示している。7日時点でチーム打率276、本塁打140本、先発防御率3.38、救援防御率3.07はいずれもリーグトップだ。驚異的な粘り強さで、この日までの81勝のうち41勝が逆転である。

   実は、期待が高まったのは昨シーズンだった。大リーグの黒田博樹が復帰、新井貴浩が阪神から戻った。前田健太もいた。「カープ女子」などファンのテンションも上がったが、結果は4位だった。今年は3番の丸佳浩、リーグ最多安打の菊池涼介、3試合連続決勝本塁打で緒方孝市監督に「神ってる」と言わせた鈴木誠也らを作った男がいた。今シーズンから打撃コーチに就いた石井琢朗だ。

   石井が宮崎キャンプで選手に課したのは高校野球並みの基本練習だった。コンパクトスイングのために壁際ギリギリでの素振り、トスバッティングでボールに書いてある文字を読む。目を離さないためだ。そして1日に1000本の素振り。「辛い練習を乗り切ると、ここ一番で腹をくくれる。集中力と粘り強い打席」と石井はいう。

デーモン閣下「打線がつながる、つながる」

   意識改革の先頭に立ったのがベテランの新井だった。ホームランバッターで鳴らしていたが、スタイルを変えた。次につなげて、1点、1点を取っていく打撃だ。それを象徴する試合が8月にあった。初の4連敗の後の巨人戦だった。2点を追う7回裏に、新井がポテンゴロでランナーを返し1点差。9回に菊池がホームランで同点。そして延長、新井の左翼線ヒットがサヨナラになった。

   新井は「自分は一生懸命がむしゃらにやって、それを若手が見て何か感じてくれればいい。最後まで諦めない粘り強い野球」と話す。

   25年前の優勝メンバーでNHK野球解説者の小早川毅彦さんは「若い選手が練習を重ねて実力になってきた。ベテランの新井、黒田が背中で引っ張る。素晴らしい集中力です」という。

   ゲストの歌手のデーモン閣下「今年は打線がつながる、つながる」

   小早川「ファンの熱気も快進撃を後押ししています」

限られた資源やり繰りする中小企業の知恵

   広島はオーナー会社がない。市民が募金して育ててきた球団だ。シーズン前、優勝を予想したファンはいなかった。投手力が不安だったからだ。前田が大リーグに行き、黒田も41歳だ。それが防御率でトップである。カギはインコース攻めだった。インコース攻めはデッドボールと長打を食らう恐れがある。しかし、今シーズンの広島投手陣の内角投球の割合は32%とリーグで一番多い。この攻めのピッチングで昨年5勝の野村祐輔は7日時点で13勝と自己最多だ。大瀬良大地らリリーフ陣も28勝17敗(昨年は12勝20敗)と生まれ変わった。

   変えたのは黒田だ。大リーグで学んだのがインコースの手元で変化する球だった。大瀬良も「黒田さんのピッチングを見ていて、インコースが大事な要素だと意識するようになった」と語っている。

   黒田自身も変わった。メールや声かけで若手のメンタル面の支えになっている。昨年の4位で引退も考えた。引き止めたのは若手の「一緒に野球がしたい」という声だった。おかげで日米通算200勝も達成できた。

   小早川さんは「去年は黒田、新井に頼りすぎた。今年は若い選手が2人を引っ張っていってる。信頼関係がある」という。「どこか中小企業のような。限られた資金力の中でやりくりをしている」

   だからファンは、カネで一流選手を揃えた球団に勝つとスカッとするのだ。ファンのツイッターには「判官びいきの日本人に合う」(60代男性)、「今年ほど広島にいてよかったという年はない」(40代女性)とあった。

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代+(2016年9月8日放送「『神ってる』広島カープ優勝へ!~こうしてチームは覚醒した~」)

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