2024年 4月 19日 (金)

<ノンママ白書>(フジテレビ系)
鈴木保奈美「50歳・バツイチ・子なし」の肩身狭い独身管理職!?高級ワイン飲みながら愚痴・・・まるで現実感なし

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   「ノンママ」とは子どもを産まない選択をした女性のことだという。反対に、働きながら子供を産んだ女性は「ワーママ」だ。香山リカの著書「ノンママという生き方~子のない女はダメですか?」(幻冬舎)を原案に、「うちの子にかぎって」「パパはニュースキャスター」「君の瞳に恋してる!」など数々のヒットドラマを手掛けた伴一彦が脚本を手掛けた。

   あの「東京ラブストーリー」の鈴木保奈美が50歳を迎え、再びフジテレビ系(制作は東海テレビ)のドラマのヒロインとして帰ってくるということで、ちょっとした話題になった。番組サイトには<この夏、50歳を迎える鈴木保奈美が、バツイチ『子無し』の独身女性管理職を熱演!恋に仕事に奮闘する元気いっぱいなキラキラ50歳ヒロインが現代を生きる全ての女性に元気をお届けします!>とある。

   てっきりアラフィフ女性への応援歌のようなドラマかと見てみたら、なんとも心をザラつかせてくれる。なんたって、第1話のサブタイトルが「閉経したら、部長になった!?」ですから。

出産か仕事か・・・二者択一しかなかった「コキン法第1世代」

   鈴木保奈美演じる土井玲子は中堅広告代理店のクリエィティブ勤務で、バツイチ、子なし。男女雇用機会均等法(コキン法)が施行されたばかりの1989年入社した「コキン法第1世代」だ。女性と男性が肩を並べて働ける時代と国に背中を押され、いざ社会に飛び込んでみれば、長い歴史ある男性社会の中で理不尽な仕打ちを受け、その中で男性に負けないよう夢中で仕事をした結果、ノンママになった。当時は仕事か出産かの二者択一の時代だったが、時代は変わり、現在は「仕事をしながら子供を産む」のが当たり前。ノンママは肩身の狭い思いをしながら生きている。

   という話なのだが、毎夜毎夜バーで集まり、「ベリーニ」だ「スプマンテ」だとワインやお酒に美味しい肴をつまみに、会社や仕事、部下のグチ、恋愛話を延々とする姿からは、とうてい「肩身の狭い思い」をしているようには見えない。

   このバーに集まるアラフィフ3人組は、鈴木保奈美のほか、菊池桃子、渡辺真紀子の3人。菊池演じる大野愛美(未婚・ノンママ)は鈴木と同期入社の人事部、渡辺演じる葉山佳代子(既婚・ノンママ)はフリーライターという設定である。このバーのマスターまこっちゃんを演じるのは三浦祐太朗で、あの山口百恵と三浦友和の長男だ。目元が百恵ちゃんにそっくり。

   ほぼこのバーのシーンで、仕事の場面は回想シーンのような感じで見せることが多い。3人以外の出演者はさぞや暇だろう。

題材良いのに気分が悪くなるほど残念なドラマ

   ノンママの土井が管理職になり、「ワーママ推進プロジェクト」を任されることになるが、ここでも一波乱ある。ワーママの野村(内山理名)が職場復帰し、プロジェクトに参加してきたが、「時短だから残業はできない」「時短だけど昼休みはきっちりとる」「時短でも目立つ仕事をしたい」と権利ばかりを主張する。ほかの部下からは「どうして尻拭いをしなきゃいけないんですか」と不満をぶつけられる。

   「マタハラ」「パワハラ」などデリケートな問題を扱うのはいいが、ワーママ野村があまりにもモンスター過ぎて、現実味なし。おまけに部下が上司に「子どもを産んでいないからわからない」などと平気で言うなどあり得ない。

   元気をもらえるどころか、見ていて気分が悪くなる。題材はいいのに、なぜこんなドラマにしてしまうのか。いろいろ残念過ぎるが、土曜の夜、ひとりでお酒を飲みつつ、文句を言いながら見るのに最適です。次週が最終回。(土曜よる11時40分~)

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