宮部みゆきドラマ魅せた!中谷美紀キレある芝居と緊迫感あふれる演出うまい
<宮部みゆきサスペンス「模倣犯」前後編>(テレビ東京系)

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   オバサン・ルポライターになる滋子(中谷美紀)が思いの他よかった。前編ではもっさりした主婦丸出しで、雑誌の編集長(高畑淳子)に取り入って仕事をもらう。ところが、後編になると次第に能動的になり、最後の犯人とのテレビ討論では、編集長から借りたアメリカの未翻訳ドキュメンタリー本(実はフェイク)をかざして、犯人の自尊心をズタズタにする大芝居で自白させてしまうのだ。ファッションも垢ぬけてくる。緊迫感のある演出もよかった。

   豆腐屋・有馬義男(橋爪功)の孫の古川鞠子は誘拐され、彼女のバッグなどが見つかるが、バラバラ遺体は別人のものとわかる。ここからおぞましい連続殺人事件が発覚し、そればかりか犯人と疑われていた2人組の29歳が、別の死体をトランクに乗せて、坂道で転落した車の中から死んで見つかる。つまり、被疑者死亡で事件は収束したとみられるまでが前編。ところが29歳の第3番目がいた。

   筆者は当作の原作を読んでいないが、宮部作品でドラマ化されたものの中ではよくできた作品である。「火車」はドラマとして欠点だらけだったし、連ドラになった「名もなき毒」も独りよがりでつまらなかった。行間を想像力で埋める小説に比べて、映像では説明がつかない矛盾がでると、一気に価値が下がるので難しいのだ。

   頭でっかちなエリート青年と、営々と普通の労働で生活の糧を稼ぐ豆腐屋、「普通の人が一番強い」と義男に吐かせるセリフが効いている。(放送2016年9月21日21時~、9月22日21時~)

(黄蘭)

採点:1.5
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