大隅良典教授「オートファジー」なにがスゴイの?がん・アルツハイマー治療に大きな可能性

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   ノーベル医学生理学賞に決った東京工業大学の大隅良典栄誉教授(71)の受賞理由である「オートファジー」はどういうものなのか。オートはギリシャ語で「自分で」、ファジーは「食べる」という意味で、細胞の内部で老化し不要になったタンパク質を分解・掃除しリサイクルする働きの事だ。

   コメンテーターの竹内薫(サイエンス作家)が解説した。大隅教授は竹内が司会をしている科学番組に出演したことがあるという。「たとえば、がん細胞は抗がん剤が来ると飢餓状態に陥ります。それで自分の体を食べ、オートファジーすることによって生き延びようとするんです。ということは、オートファジーできないようにしてやればがん細胞の増殖を抑えることができるということになります。パーキンソン病やアルツハイマー病は神経細胞内に余分なたんぱく質がたまってしまう病気ですが、オートファジー機能を回復してちゃんと掃除ができるようにしてやれば予防や治療が可能になります」

受賞相次ぐ日本人研究者!背景に1980~90年代の基礎研究

   牧嶋博子(TBS報道局解説委員)は「日本は高齢化で死ぬときはがんかアルツハイマーという感じですから、細胞の基礎的な仕組みを解明したことで治療ができるようになれば、劇的に変わります。ただ、日本はいま基礎研究に力を入れることが少なくなっていて、ノーベル賞受賞を契機に国が基礎研究に力を入れるよう進めてもらいたいですね」と話す。

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   司会の夏目三久「大隅教授で日本人の受賞者は25人ですが、注目すべきは2000年以降に17人も受賞されています。どうしてなんでしょうか」

   竹内によると、「ノーベル賞は20年から30年前の業績が評価されることが多いんです。ちょうど80年代から90年代にかけて日本の基礎研究が非常に高まった時期があったということなんですね。今後はどうなるかわかりませんが」

「私にはいろんな才能がなかったのが良かった。だから大きな挫折もなかった」

   東京工業大にいた大隅教授に夏目が話を聞いた。「コツコツ研究を続けてこられた原動力は何ですか」

   「私にはいろんな才能、ピアニストになりたいとか絵を描きたいとかいうことが実はほとんどなくて、あまり悩まないで済んだんです。ある意味で、大きな挫折もなく、個人的には幸せたったのかなと思います」

   竹内は大隅教授を「科学者の中の科学者」といい、教え子は「人柄ともに文句の付けようがない先生」と慕っている。

文   モンブラン | 似顔絵 池田マコト
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