2024年 4月 16日 (火)

ボブ・ディランがミック・ジャガーに漏らした「僕にはノーベル選考委員が何考えているのかさっぱりわからないよ」

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   ボブ・ディランが「風に吹かれて」を発表し、ピーター・ポール&マリーが歌ったカバーが大ヒットしたのは1963年。ディラン22歳、私が18歳の時だった。どれだけミサイルが飛んだら戦争が終わるのか、いつまでニュースを見れば平和が来るのか、その答えは風が知っているだけさ。アメリカでは公民権運動賛歌として受け入れられ、日本を始め多くの国では反戦ソングとして多くの若者が歌った。

   ディランがノーベル文学書を受賞したことが波紋を呼んでいる。一番当惑しているのは本人かもしれない。週刊文春によれば、10月14日にカリフォルニア州で行われた音楽フェスのリハーサルで、「ローリング・ストーンズ」のミック・ジャガーとキース・リチャードに「おめでとう」と声をかけられたディランは、こういったという。「ありがとう。でも僕には彼ら(選考委員)が何を考えているのかさっぱりわからないよ」

   彼は「変人」といわれる。人ぎらい、インタビューぎらい、コンサート以外は自分を晒さない。だが、2004年に自らの手で自伝を書いたとき、「ニューズウィーク」のインタビューに答えている。今週の「ニューズ日本版」から引用してみよう。<60年代後半から70年代前半には神格化され、ストーカーに近いファンも出現した。「あんなことをされれば、誰でもおかしくなる」と、ディランは自伝に書いている>

   名声は人生だけでなく、作品もゆがめたという。<「私は名声をうまく利用しようと思った。名声はカネにはなったが、独り歩きを始めた。名声の中身は空っぽだった。私の音楽は指の間からこぼれ落ち、いつしか消え去った」「昔の私は、世界と人間のあらゆる真実を歌で表現しようとしていた」と、ディランは言った。「しかし時が来れば、そんなことはできっこないと分かるものだ」>

   同誌でプリンストン大学のショーン・ウィレンツ教授は、ディランの受賞についてこう語っている。<「同時代の偉大な文学者をたたえただけのこと。同じ栄誉に浴したほかの文学者たちと区別する必要はない。詩は大昔からある文学の形式だ。ディランはそれをまったく新しい水準に、西洋文化が生み出した文学の最も高い水準にまで高めた。それ以上の説明はいらない」>

   週刊新潮によると、これまでにノーベル賞を受け取ることを辞退したのはサルトルを含めて4人だという。授賞式にディランが出席するかどうかわからないようだが、いまこそ戦争ができる普通の国にした安倍首相官邸を取り巻き、「風に吹かれて」を歌うときではないだろうか。

「朝日新聞」止まらぬ部数減も当然か!読売新聞・務台会長も覚悟していた「新聞の適正部数は600万部」

   私事で恐縮だが、このほど『知られざる出版「裏面」史~元木昌彦インタヴューズ』(出版人)を上梓した。版元から出版記念会をやって少しでも本を捌いてくれと頼まれた。でも、古希になって記念会というのもなあ、業界向けの地味な本だしなあと結構悩んだ。

   そこで「生前葬」をやろうと思いついた。これまで親しくしてもらってきた知人、友人に「長年のご厚誼を『故人』が感謝する」という趣旨なら、面白がって来てくれるかもしれない。

   当日は、友人のカメラマンに撮ってもらった大きな「遺影」を飾り、横のテーブルに菊の花を20本。講談社の出樋一親さん、きずな出版の櫻井秀勲さん、ノンフィクション作家の佐野眞一さん、版画家の山本容子さんのお祝いの挨拶の後、私が代読するという形で『故人』の遺言状を読み上げた。

   「みなさんと知り合えたこと、一緒に仕事ができたこと、酒を酌み交わしたこと、忘れません。感謝しています。今日は本当にありがとうございました」と結び、頭を下げた。

   150人の参会者でいっぱいの会場から拍手が起こった。「生前葬、よかったよ。また来年もやれよ」と声をかけられた。水の江滝子は74歳で生前葬をやり94歳まで生きた。生前葬をやると長生きできるという「功徳」もあるそうだから、みなさんもやってみてはいかがだろうか。

   週刊ポストが、朝日新聞の社外秘「職場会議(部会・室会・センター会など)説明用資料」を入手したと報じている。そこには、13年度に3135億円の売上高があったが、15年度には2748億円へと落ち込んだ。3000億円を割り込むのは30年ぶり。16年度ではマイナス500億円超の恐れがあるという。

   背景には、当然だが、急激な部数減がある。12年度には762万部あった発行部数が、670万部まで落ちているそうだ。そのために17年度からの「給与改定・定年延長」に対する社員の理解を求めているという。たしかに朝日新聞が所有している不動産からの収入は増えているようだが、本業が細っているのでは、新聞社として胸を張るわけにはいくまい。

   もちろん他の新聞も同様であろう。部数1000万部近くの新聞が2紙もあったのがそもそもおかしかったのだ。昔、読売新聞の務台会長がいっていた。「新聞の適正部数はせいぜい600万部程度」だと。そのためには社員を現在の半分以下にしなければやっていけはしまい。その時が来たようである。

対局相手に解析されてた「三浦弘行九段スマホ将棋」ソフト通りの指し手じゃないか!

   将棋界は対局中に離席してスマホで将棋ソフトを見て指したのではないかという疑惑で大揺れだと、週刊新潮と週刊文春が報じている。週刊文春によると、発端は7月26日(2016年)に行われた竜王戦の挑戦者を決めるトーナメントの準決勝、久保利明九段と三浦弘行九段戦だった。

   三浦九段の快勝だったが、<「証拠は何もないんです。でも指していて(カンニングを)『やられたな』という感覚がありました」(久保九段)>

   久保氏はソフトに精通している知人に依頼して、三浦九段の差し手とソフトとの一致率、離席後にどんな手を指したかを検証したという。

   その後、10月3日にA級順位戦があり、渡辺明竜王と三浦九段が戦ったが、渡辺竜王の完敗だった。だが、この対局はインターネット中継されていて、一部の棋士たちがリアルタイムで将棋ソフトを使って検証していたそうだ。負けた渡辺竜王もソフトを使って三浦九段の対局を調べ尽くし、「これは間違いなく『クロ』だ」と確信したという。

   渡辺竜王は1週間後に三浦九段と竜王戦を戦わなければいけない。悩んだ渡辺氏は、日本将棋連盟理事の島朗九段に電話をかけ、7人の棋士たちの極秘会談が開かれる。その後、島理事が三浦氏に連絡して不正の事実を問いただしたが、本人は認めなかった。

   週刊文春によると、連盟側は三枚堂達也四段が三浦氏からスマホでパソコンを遠隔操作する方法を教えてほしいと依頼されていたという情報を入手していた。10月12日、将棋連盟は記者会見を開き、竜王戦の挑戦者の変更を発表した。三浦九段は年内の出場停止処分。

   この記事を読んで、なにかしら違和感を感じる。私は将棋はほとんどできないが、父親が素人四段で、子どもの頃から将棋を教え込まれた。超短気な父は、ちょっとでも指し手を間違えると怒鳴られ、時にはひっぱたかれた。そうしたことに腹を立てた私は、中学に入った頃から将棋をやめてしまった。だが、初期の将棋ソフトが出た頃、買ってきたPCで遊んだことがある。私は少しレベルを上げると勝てなかったが、ボケかかった父親にやらせると、かなりのレベルまで勝つことができた。

   ディープラーニングができたおかげでAI(人工知能)は急速に進歩し、チェスを負かし将棋を破り、まだ先だと思われていた囲碁までも凌駕するようになってしまった。かつて米長邦雄永世棋聖(故人)は「兄貴はバカだから東大へ行った」と豪語していた。その米長氏も将棋ソフトには敵わなかった。そうなると、人間の棋士同士が戦う王将戦などは一番強い棋士を決めることにはならない。そこで勝った者が将棋ソフトと戦う「世界一決定戦」をやらなければいけないのではないか。

   将棋というと思い浮かべるのは阪田三吉や升田幸三のような棋士たちだが、もはやこうしたゲームの世界では、AIに勝てるのはいなくなってしまうのだろう。今回の『事件』は、棋士がソフトに勝てないことを棋士自らが証明して見せた。これからは、対局に将棋ソフトの持ち込みを認め、自分の技とソフトを駆使できた者が勝つというルールに変えることも検討すべきではないか。そうなると、将棋とはいったい何なのだろう。誰かこの問いに答えてくれる棋士はいないかね。

日本シリーズ・広島「大谷翔平」攻略秘策!「速いが素直で軽い球」だけ狙え

   いよいよ22日(2016年10月)から日本シリーズが始まる。165キロの速球を投げ込む大谷翔平を抱える日ハムか、引退を表明した黒田博樹を中心にした広島か、久しぶりに楽しみなシリーズである。

   とくに大谷は、今季投手では140イニング投げて10勝4敗、防御率1・86。打っては104試合に出場して104安打、打率322、22本塁打、67打点という超人的といってもいい活躍だった。

   週刊ポストが、大谷の来季の年棒は「いくらが適切なのか」という特集を組んでいる。2ケタの勝ち星と100安打を同一シーズンで達成したのは1949年の阪急・野口二郎以来プロ野球史上4人目。2ケタ勝利、20本塁打、100安打となると、メジャーでも例のない史上初の大記録だという。

   現在の年棒は2億円。大谷はメジャーに移籍したダルビッシュと同じ年棒の上がり方をしてきた。ダルの5年目は2億7000万円だが、大谷は打者としての評価がプラスされるだろうから、ダル超えは間違いないところだろう。

   ちなみに、巨人の内海哲也投手はチーム最高年棒の4億円だが、今季は9勝6敗で防御率は3・55というひどさ。年棒3億円の打者・村田修一のホームラン数は25本。来季は4億円は下らないだろうといわれる大谷だが、巨人選手のコスト感からいくと、10億円出してもいいのではという声もある。

   日ハムの年棒総額は25億円といわれているそうだから、大谷だけが突出してしまうとチーム内に不協和音が出るかもしれないと心配するスポーツ紙デスクもいるが、私は早く大谷が大リーグへ行って、どれだけ活躍できるか見てみたいと思う。

   元野球少年として予想すると、球は速いが素直で軽そうな大谷の球を打てれば、広島が有利に運べるのは間違いない。そのために広島はピッチングマシーンで170キロを打つ練習をしているそうだ。大谷の出る試合は捨て試合にして、他の試合を勝ちにいくという戦法もあるが、どちらにしても試合巧者の広島やや有利と見るのは、セ・リーグ贔屓のせいだろうか。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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