2018年 7月 21日 (土)

東京五輪・パラリンピック施設「大会後はレガシーならぬ廃墟」

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   2020東京オリンピック・パラリンピックの開催費用は、このままでは3兆円を超えそうだが、なぜ野放図に膨らんだのか。ボート・カヌー競技の会場となる予定の「海の森水上競技場」の整備費は、招致段階では69億円が一時は1038億円に膨れあがった。水位の安定化措置や撮影用のカメラレーンなどに金がかかることがおもな理由だという。さすがに東京都の担当者も「これはやっぱりまずい。1000億円を超える競技場を作るということは、コスト的にも問題がありますよ」

「国際ボート連盟」食事や宿泊施設にも注文!膨れ上がった予算負担は都民

   その後、都は競技連盟と交渉するなどし、条件の見直しによって整備費は約500億円に減額。18日(2016年10月)の段階では、さらなる見直しによって300億円への縮減が可能との試算も出た。

   一方で、都は2年前には海の森水上競技場からの会場変更を検討していたそうだ。ある資料では、全国のボート場や湖など10か所が候補に挙がっていたとう。しかし、会場変更に必要な国際ボート連盟の承認が得られなかった。

   理由は、コースの形状が不向きであるといった競技上の理由以外に、アクセスや集客、食事・宿泊場所などの問題も含まれる。宮城県にある長沼のボート場の場合、「競技という側面ではいいが、道路の状況、ホテル、レストランなどの状況を考慮すると難しい」(国際ボート連盟)と難色を示した。国際ボート連盟はボート会場に求めることについて、「将来にわたって活用され、競技の発展に寄与し、レガシー(遺産)となる会場です」と文書で回答した。

建物にだけカネかける貧困

   早稲田大学スポーツ科学学術院の原田宗彦教授はこう解説する。「オリンピックがあまりにも巨大化して、終わったあとで都市の重荷になり、借金を払い続けるというケースが出てきています。その施設がオリンピック後にどれだけ都民、国民のためになるのか、(事前に)十分に検証するべきでしょう。レガシーを考えた場合に、施設のレガシーばかりに目がいくが、じつはそこはそれほどお金をかける必要はないかもしれない。(社会や環境に対する)もっと大事なレガシーを残す、そういう術を考えなければならないと思います」

NHKクローズアップ現代+(2016年10月18日放送「追跡 五輪予算~なぜ費用は膨らんだのか~」)

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