若者「落語ブーム」ダメな自分も受け入れてくれる懐の深さ・・・さだまさし「噺に救われる人多い」
2016.10.21 14:46
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若者の間で落語ブームが巻き起こっている。サラリーマンが家路につく夜9時の東京・新宿に若い人たちの長い行列ができていた。有名アイドルのライブではない。落語のイベントだ。落語のイベントは東京周辺だけで月に1000件も開催されており、落語家がファンの自宅へ出向く宅配落語も盛んだという。
高校時代は落研にいたシンガーソングライターのさだまさしと世代・トレンド評論家の牛窪恵氏が落語ブームの背景を探った。
春風亭一之輔「人との絆、人情など失っってしまったゆとりの世界」
若者の落語ブームを牽引する一人が春風亭一之輔だ。1年間に上がる高座は850回。すでに来年のスケジュールも埋まっている。古典落語を現代風にアレンジした噺を得意とし、人気の秘密もそこにあるようだ。一之輔は「古典芸能に納まり切っちゃうと危険なんじゃないですか。大衆芸能であるべきだ」と語る。
古典落語には笑いだけでなく、人との絆、人情など今の社会が失った「ゆとり」がある。一之輔は「きっかけさえあれば、そうした落語の魅力を感じる人が少なくないのではないか」という。
真打、二つ目、前座の噺家はいま約800人いる。久保田祐佳キャスターは「中学時代から落語ファンのさだまさしさんは、どう思っていますか」と聞く。「落語の噺は失敗した人の話が多いんですね。いまは失敗するとドンドンへこまされるけど、落語の中の失敗は笑いに変わっていく。一生懸命頑張っている人が報われたりする。現実にはなかなか起きにくいことが目の前の噺の中で出てくると、救われる人が多いのではないでしょうか」