2024年 4月 25日 (木)

「IS壊滅作戦」死に物狂いの反撃!トンネルに隠れて挟み撃ち、子ども自爆要員、住民100万人人質・・・

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   イスラム過激勢力IS(イスラム国)が拠点を置くイラク北部の中心都市モスルへ、イラク軍がアメリカなど有志連合の支援を受けて進攻し、激戦がつづいている。作戦には10万人が参加、モスルを奪還すればイラクとシリアにまたがるIS支配地域を分断でき弱体化につながる。イラク軍は先週末(2016年11月5日)にモスル東側地区を制圧した。指揮を執る少佐は「完全解放も間近だ」と語る。

   しかし、予想以上の苦戦だ。激しい戦闘の映像が流れる。モスルまで20キロの村を制圧したが、イラク軍の前後に突然ISの戦闘員が現れ、挟み撃ちにあった。足を負傷したイラク兵士のステファン・ナジーブさんは「突如攻撃してきた。ISはトンネルを使う。前から来るか、後ろから来るかわからない」と話す。

   地下トンネルが網の目のように張り巡らされていた。対IS専門家のヒシャム・ハシミ氏は「ISの狙いはトンネルを使い、イラク軍の進撃を少しでも遅らせること。長期戦に備えている」と見る。

民間人犠牲にしながら長期戦の構え

   ISの指導者バグダディは先週、「やつらを血の川にしろ」と戦闘員をあおった。ISは支配地域の子どもたちを戦闘員の穴埋めとして送り込む。洗脳して自爆要員にもする。11歳から16歳の部隊もあり、子どもを使った宣伝映像もある。

   100万人いるといわれるモスル住民を戦闘地域に釘づけにして、「人間の盾」にもする。反IS系ラジオ局の取材に、場所を特定させない条件で応じた女性住民は「外へ出ることを禁止され、違反すれば殺害されます」「家を一歩も出られない。すでに大勢が巻き添えになりました」と語った。

   鎌倉千秋キャスターが「モスルへの進攻は3週間前から、シリアのIS拠点ラッカへもきのう6日から攻撃が開始されました。状況はどうなのでしょう」と、モスル近くのアルビルにいるNHKカイロ支局の渡辺常唱支局長に聞く。「かつてない過酷な市街戦だと特殊部隊の隊長はいっています。戦闘はこれから一段と厳しくなりそうです」

   住民の犠牲を避けながらの拠点都市奪還は容易ではない。モスルの重要性を中東調査会の高岡豊・上席研究員はこう分析する。「イラクの西部や中部で他の拠点を奪還しており、最後の拠点です。アメリカ大統領選が近いこともあって、国際的にも有志連合が攻勢に出ています」

   ただ、イラク軍は国内の東から攻めているが、ISの地盤はむしろ西側にある。「ISは民間人の犠牲を出すことで長期戦にし、有志連合の足並みの乱れをさそうことを狙っています」と高岡研究員はいう。

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