「ドン・シン」コンビで日米蜜月!?大風呂敷2人組やりたい放題で日本ボロボロ

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   今週の週刊誌もトランプ次期アメリカ大統領について多くのページが割かれている。残念ながら表層を撫でているだけで、なるほどと頷けるような内容は見当たらない。それは新聞も同様である。

   週刊ポストは「トランプ大統領で本当に良かったと、大マジメに話す人たちの声に耳を傾けてみた」という特集を組んだ。レーガンと中曽根、ブッシュと小泉のように日米が親しい関係を結ぶのは共和党時代で、安倍首相とトランプは自国の利益を優先する政治家だからウマが合うのではないか。「ロン・ヤス」関係を超える「ドン・シン」関係を築くのではと見ている人がいる。私はこれにプーチン・ロシア大統領を加えて「ドン・プー・シン」の独裁3国同盟ができるのではないかと怯えている。

   トランプが選挙中にいっていた「在日米軍撤退」があるならば、日本は自主独立のチャンスで、アメリカに守られ頼って生きる時代、つまり「戦後」は11月9日をもって終わることになると識者にいわせているが、今のアメリカのポチ・安倍首相にそんなことができるはずはない。

   トランプは中間層や低所得者層への大幅減税や法人税の大幅引き下げを公約している。トランプノミクス(ニューズウィーク日本版ではトランポノミクスと書いている)が日本の株を押し上げ、強いドルを目指すから円安になり、来年春には株価が2万円台に回復するとノー天気な談話も紹介している。

   週刊現代の「トランプが世界経済をぶっ壊す」のほうはさらにいただけない。トランプノミクスで来年2月(2017年)になれば日本株が「爆上げ」し、世界中の景気がよくなると週刊ポストと同様の根拠の薄い見方である。アベノミクスがやったように湯水のようにカネをばらまき、橋や道路のインフラを造り直し、バブルを再現させるというのだ。

   ニューズウィーク日本版は、共和党は財政規律を重んじる傾向が強いから、トランプの大風呂敷的な歳出計画が通るかは未知数だとしているし、いまのアメリカにその余裕はないはずだ。

   究極のとんでも発言はスナイダーという米スタンフォード大学太平洋研究センター研究副主幹のこの言葉だ。<「いま日本が行うべきことは、ただ一つ。徹底的にトランプ氏に媚びへつらうことです。『日本はあなたのことが大好きです。あなたはとても賢く、素晴らしい人だ。日本国民は、あなたの大統領就任を心から待望している』」>

   いまだって安倍首相はアメリカに媚びへつらい土下座しているっていうのに、これ以上やれというのか。だが、これはアメリカの本音ではあろう。

トランプ側近と密会していた安倍首相

   週刊文春は「トランプ『裏の顔』」、週刊新潮は「『トランプ大統領』25の疑問」。週刊文春で注目すべきはジャーナリスト山口敬之氏のこの部分である。<「安倍は九月訪米時に、自ら動いた。ニューヨーク在住の日本人を介して、トランプ陣営の幹部を務めるウィルバー・ロスと極秘会談を行ったのである」>

   ロス氏は投資ファンドを率い、トランプの経済顧問も務めているという。トランプはロスに「今日の会合に出席できずに残念」という安倍宛のメッセージを託し、トランプは日米関係の重要性を十分理解している、貿易赤字縮小のために日本の努力に期待するという意見交換をおこなったというのだ。安倍は外務省情報を信じられず、万が一が怖くて仕方なかったのだろう。

   週刊新潮によると、副大統領に就任が決まっているマイク・ペンスは弁護士を経て下院議員を6期やり、インディアナ州知事も務め、来日経験も豊富だそうだ。かなり右寄りの思想の持ち主で、アメリカの議員のリベラル度からいうと、オバマが100人の上院議員の中で一番リベラルで、<「ペンスは全下院議員の中で5番目に保守的な政治家」(産経新聞の古森義久氏)>だそうだ。

   メディアはトランプを支持したのは学歴の低いプアホワイトだった報じているが、米ABCニュースが行った詳細な調査では、世帯収入が3万ドル以下の低所得者層のうちトランプに投票したのは41%にすぎず、ヒラリーは53%であった。一方、年収が5万ドルを超えるすべての所得層で、トランプはヒラリーを上回り、白人有権者も49%がトランプ支持、ヒラリーは45%だったという。ゆえに、無教養なブルーカラーの白人がトランプを支持したというのはデマだというのだが、私には納得できない情報である。

トランプの最優先は大統領よりビジネス

   ニューズウィークはトランプについての大特集をやっているが、こちらは読み応えがあり、トランプのアメリカの負の部分に対する危惧で埋め尽くされている。まずはメディアの間違いについて。メディアはトランプ阻止に執着するあまり、「フェアネス(公正さ)」を見失い、自らが見たい「現実」にとらわれ、別の現実を見落としてしまった。いまでも「これほどアメリカ人がバカだったとは思わなかった」といわんばかりの論調を続けているメディアがあるが、そんなエリート主義がアメリカの趨勢を見誤ったのだ。

   米軍駐留費の大幅な負担増については、30年あまりトランプの発言を調べてきた米ブルッキング研究所のトーマス・ライト研究員にいわせると、以前から懐疑的で、日本やドイツに負担増を拒否された場合は、「それを口実に一方的に防衛義務を果たさないこともあり得る」。日米安保条約破棄もトランプの信条としてはあってもおかしくないとニューズウィークはいう。

   アメリカの知識人たちの嘆きは深刻である。ニューヨーカー誌のデービッド・レムニック編集長はトランプの勝利は<「移民排斥、権威主義、女性蔑視、人権差別を掲げる国内外の勢力の勝利だ。それはアメリカの共和制にとって悲劇にほかならない」>と語っている。同誌のシニアライターのカート・アイケンワルドは、トランプがこれまで歩んできた道は<「他人の財産やキャリアをつぶして成功を手に入れ、それを自慢してきた。他人の手柄は奪い、自分の失敗の責任は他人に押し付ける。そうやってエゴを無限に膨らませてきた」>

   トランプは大統領になってもこれまで通り振る舞うだろうが、そうすれば共和党は空中分解し、アメリカも、と結んでいる。また、トランプが世界中で「TRUMP」名義使用権を売って稼いでいるトランプ・オーガニゼーションが、ビジネスと商売の利益相反を各国間で引き起こす可能性を指摘し、大統領になってからは<「彼の会社がすぐに閉鎖されるか、トランプ家から完全に切り離されるのでない限り、アメリカの外交政策は売りに出されたに等しい」>と、トランプが大統領という肩書きを利用して、国益よりもビジネスを優先するのではないかと手厳しい。

慌ててトランプ接近する愚!暴言・放言男の本性をじっくり観察

   発言を後で問われると、言っていないとしらを切り、口からでまかせの暴言、放言を繰り返す「セールスマン」(「ニューズウィーク」)に、世界は振り回されることになる。だが、彼は民主的に選ばれたのだ。敗戦後、ヒラリーがいったように、「この結果を受け入れ、彼にこの国をリードするチャンスを与えなければならない」

   しばらくこの男の動向を見守り、冷静に対応することこそ、いまの日本に一番必要なことである。

   最後に熱狂的な若者の支持を得たB・サンダースが「世界」12月号で語った言葉を添えておく。<「今日のアメリカの恐怖の一つは、悲しいことですが興味深いことに――白人の労働者階級、ことに女性の平均寿命が急激に下がっていることです。それは絶望と密接な関係があります。劣悪な仕事、無職、麻薬への傾倒、アルコールへの傾倒、自殺への傾倒。ですから、偏見に基づいた選挙運動で人びとの支持を得るトランプの能力もまた、人びとが経済的に傷ついた時、誰かを非難する必要があることと関係しています」>

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