2024年 3月 19日 (火)

コンビニ店オーナー悲鳴!フランチャイズ契約が守られない・・・本部の客数予測届かず休日もないのにロイヤリティ

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   年商10兆円、流通業界でひとり勝ちのコンビニに異変が起きている。イケイケの本部に対し、過酷な経営環境を生きる店舗のオーナーたちが声を上げ始めたのだ。兵庫・姫路で開店して13年になる酒井孝典さん(56)は、本部に異議申し立てをした。契約にある「共存共栄」が守られていないと契約見直しの交渉を求めたのだ。

   フランチャイズ契約は本部がノウハウを提供し、オーナーはロヤリティを払う。両者の立場は対等で、「共に相互発展を目指す」となっている。酒井さんの契約は、ガイドラインでは年収目安は2年目で700万円、オーナーの休日(標準モデル)は年間52日となっていた。

   しかし、実際の客数は予測に及ばなかった。利益確保のためアルバイトを削って自分が店に立つ。週に3日は夜9時から翌日昼まで徹夜だ。日勤も入れると週に7日出ている。年間の休みはゼロ。「家族旅行は日帰りしか行ったことがない。戻ったら店に出る」

   純利益3823万円から本部へのロイヤリティが1863万円、アルバイト給料988万円、光熱費など684万円を引くと、営業利益は288万円にしかならない。同じタイプの契約の2500店の経営状況が明らかになったが、4割近くが年収400万円を下回っていた。

   酒井さんが契約見直しを求めたのにはもう一つ理由がある。契約更新が「本部の自由な判断で」と不確かなのだ。現に3割が再契約されていない。再契約の基準を明確にしたい。40代で脱サラして、50代で生活の糧がなくなってはかなわない。

労働委員会「店長らとの団体交渉」命令

   オーナーにとって経営環境は厳しい。この5年で店舗は2割以上増え、5万4451店(2016年9月現在)と飽和状態だ。既存店の来店客数は7か月連続でマイナスになっている。

   京都で2001年に開店した船引聰明さん(69)は、昨秋(2015年)に店をたたんだ。初めは好調で、手元に1000万円が残る年もあった。ところが、4年前にライバル社が近くに3店オープンし、同じ系列も2店舗出た。「集中出店戦略」というやつだ。売り上げはほぼ半減したという。「同じマークがきつかった。懸命にやってるのに、本部に裏切られた感じだった」と話す。

   オーナーたちは団体交渉権を求めて労働委員会に救済を求めた。これを受けて、2014年に岡山労働委員会はセブンイレブン・ジャパンに、15年に東京労働委員会がファミリーマートに団体交渉を命じた。「事業者同士だが、力に差がある」とオーナーを労働者と認めたのだ。画期的な判断だが、2社は中央労働委員会に持ち込んで争っている。

   愛知大の木村義和准教授は「契約では対等でも、本部の方がはるかに強いと労働委が認めつつあります。ちょうどプロ野球の選手会と球団本部のような。個人事業者でありながら、労働者でもあるという判断です」という。「交渉が認められると、両者の力関係に劇的な変化をもたらすでしょう。現在は加盟店の犠牲で成り立っていますが、それがなくなる。他のフランチャイズ産業への影響という点でも大きいですね」

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